「「21世紀に生きる」人間に送る十六の話」司馬 遼太郎

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十六の話 (中公文庫)

【私の評価】★★☆☆☆(69点)


司馬 遼太郎の16のエッセーをまとめた一冊です。
 「洪庵のたいまつ」を読みたくて購入しました。


 「洪庵」とは江戸時代、オランダ医学を学び、
 適塾という私塾を主宰した緒方洪庵です。


 適塾からは、大村益次郎、
 福沢諭吉などが輩出されています。


・江戸時代の習慣として、えらい学者は、
 ふつう、その自たくを塾にして、
 自分の学問を年わかい人々に伝えるのである。
 それが、社会に対する恩返しとされていた。
 (洪庵のたいまつ)(p376)


●この本で、意外に収穫だったのが、
 司馬 遼太郎がどのように歴史に
 興味をもったのかということです。


 戦地には赴きませんでしたが、
 日本軍兵士として徴兵された
 経験が大きかったようです。


 こんなバカなことをする日本人とは何かと
 歴史を追求しているうちに、
 歴史小説家となってしまったというわけです。


・戦い(第二次世界大戦)がおわったとき、
 当時二十二歳だった私は・・・こうも思ったのです。
 「むかしは、たとえば明治時代は、あるいは江戸時代は、
 さらにはそれ以前は、こんなバカなことをする国では
 なかったにちがいない」そのことを検証することに、
 半生をついやしました。
(文学から見た日本歴史)(p16)


司馬 遼太郎の見る歴史観、日本への思いが
 伝わってくる一冊でした。


 日本の歴史と司馬 遼太郎に興味のある人にはお勧めです。
 ★2つとします。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・こんにち、大小無数の国家が、
 自国民の利益という二十世の神話を守るために、
 怪物群のように地球上を横行しています。
 どこの国にとっても隣国は、悪魔に似ています。
 なぜなら、隣国は、自国にとって
 荀子の思想でいうところの"利己的欲望"しか
 もっていないからです。
 (訴えるべき相手がいないまま)(p310)


・ただ、さびしく思うことがある。
 私が持っていなくて、君たちだけが持っている
 大きなものがある。未来というものである。・・・
 二十一世紀をたっぷり見ることができるばかりか、
 そのかがやかしいにない手でもある。
 (二十一世紀に生きる君たちへ)(p384)


▼引用は、この本からです。

十六の話 (中公文庫)
十六の話 (中公文庫)
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司馬 遼太郎
中央公論社
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おすすめ度の平均: 4.5
5 「21世紀に生きる」人間に送る十六の話
4 些細な事ですが
5 いつ読んでも勉強になる本

【私の評価】★★☆☆☆(69点)


■著者紹介・・・司馬 遼太郎

 1923年生まれ。本名、福田 定一。学徒出陣のため大学卒業後、入隊。
 終戦後、いくつかの新聞社に勤務。
 1960年、『梟の城』で第42回直木賞を受賞。
 1961年に産経新聞社を退職し、作家生活に入る。
 「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」など名著多数。
 1996年逝去。


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