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「若さに贈る」松下 幸之助

2007/03/26公開 更新
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若さに贈る (PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー)


【私の評価】★★★★☆(89点)


要約と感想レビュー

 1966年に松下幸之助が、書き下ろした一冊です。1965年には松下電器が各社にさきがけて週休5日を導入し、世界進出を視野に事業を拡大している時期ですから、松下が最も油がのっていた時期なのでしょう。


 この本で特に目立ったのは、松下幸之助の( 成功の定義 )です。自分の適性を知り、適性の合った仕事に打ち込み、自分を使い切るということが成功であると何度も繰り返しています。自分に適性がないと判断すれば、いくら抜擢されたとしてもそれを断るくらいの自己認識が必要であり、それを間違えば自分の失敗であるばかりか、社会の損失にもなるという考え方です。


・自分の適性に従って最善に生きる。単なる名利にとらわれず、あなたの、ほんとうの人生を生き抜く──そうして生き抜きえたひとが、つまり人生の成功者だとわたしは信じています。(p104)


 松下幸之助は、常に( 人間 )というものを、そして人間が作り上げる( 社会 )というものを理解しようとしていました。それは、松下が丁稚時代に世の中の厳しさを知り、だからこそ、より深く理解しようとしたのではないでしょうか。例えば、七年間の奉公時代を振り返り、たとえ紙一枚にしても、その裏にひそむ、そのもののねうちに思いをいたすならば、なかなか平気で捨ててしまうことはできないと語っています。


 松下幸之助の考え方には、「素直」「信念」「天地自然の法則」などのキーワードがありますが、その根本には、( 誠実で熱心であることが人を引き付ける )、( 傲慢になれば敵を作る )というような人と社会の原理・原則を理解したうえで、行動することが大切であると考えていたようです。


・ともすれば怠け心が起こるのがこわい、傲慢になりがちなのがこわい。・・・そういう意味のこわさを感じ、おそれをいだき、身を慎む。この態度のない、いわゆるこわいもの知らずは、結局、身を滅ぼすことになります。(p127)


 松下の経営に対する考え方は、『CD 松下幸之助 経営百話』に詳しいですが、この本だけでも、その思いが伝わってくると思います。松下の人間・経営に対する考え方を伝える良書として★4つとしました。


この本で私が共感した名言

・第一歩は食うためであった・・・第二歩で誠実の必要を知った・・・そして知る──事業は世の中のものだ(p135)


・自分の職場を自慢しなさい・・・はじめから、いかんときめてかかるか、いいところだとまず宣言し、まずい点は、これからの努力で改善できるという気持ちをいだいて臨むか、その二つによって、仕事に対する姿勢に天地のちがいが生じてくると思います。(p111)


・たとえみんなの意見できまったことであっても、自分にはどうしてもできないと思ったら、「わたくしは反対です。・・・わたしは長としてその責任を負えませんから辞職します」というくらいの信念をもつことが、わたしは必要だと思います。(p80)


▼引用は、この本からです。
若さに贈る (PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー)
松下 幸之助
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【私の評価】★★★★☆(89点)


目次

"船場学校"に学ぶ
打ちこめ
いのちをかけよ
適性に立て
現代成功学
この心がまえ
絶対の責任
わたしの人間研究



著者経歴

 松下 幸之助・・・パナソニック(旧松下電器)グループ創業者。PHP研究所創設者。1894年生まれ。9歳から火鉢店、自転車店に奉公し、大阪電灯(株)勤務。1918年松下電器を創業。1946年PHP研究所を創設。1989年94歳で永眠。


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