「ドイツ参謀本部-その栄光と終焉」渡部 昇一
2006/05/31公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)
要約と感想レビュー
●1600年頃のヨーロッパ三十年戦争から
ヒトラーまで、プロイセン=ドイツ
参謀本部を中心に、国家と戦争、
そして戦争を遂行する組織について
考察した一冊です。
こうして読んでみると
ヨーロッパの歴史とは、
戦争の歴史とも言えるでしょう。
そして国家の反映と没落の
歴史の中から見えるのは、
だれに権力を持たせるのか?
ということです。
有能な人が権力を持てるような組織こそが、
強くなっているようです。
・フランス軍の将校の進級は、実力よりも上官の気に入るか否かが大きい問題で、地味に作戦の研究をするよりも、むしろ権勢家の門をくぐり、社交界に出入りし、そこで評判のいい人間になることに心がけるのがよいという風潮さえあった・・スタッフとラインの交代制を持つプロイセンにくらべて本質的に劣っている(p165)
●人が組織をつくり、
組織には昇進のルールがあり、
そうした人、組織、組織のルールが、
組織のレベルを決め、
国の運命をも決めるのです。
・プロイセン=ドイツ参謀本部は、近代史の動向を左右するほどの意味を持つ組織上の社会的発明であった。しかし、それはビスマルクという強力なリーダーとモルトケという有能なスタッフの組み合わせの時だけ、めざましい効果を示したにすぎない。(p195)
●ドイツの歴史を「戦争」というテーマから
大きく把握しながら、
人と組織というものを考察できる一冊です。
★2つとしました。
この本で私が共感した名言
・ローンは剣を砥いで準備し、モルトケはこの剣を用い、ビスマルクは外交によって他国からの干渉が入るのを防いで、プロイセンを今日の勝利にみちびいた(ヴェルヘルム)(p129)
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)
著者経歴
渡部 昇一(わたなべ しょういち)・・・1930年生まれ。大学卒業後、ドイツ、英国に留学。上智大学講師、助教授、教授を歴任して退職。名誉教授。
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