【書評】「コミュニケーションのための催眠誘導」石井裕之
2005/09/05公開 更新

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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
相手に関心を持つこと
パナソニックの創業者である松下幸之助は「人情の機微がわかれば天下でもとれる」と言い切りましたが、この本は、人情の機微、つまり心理誘導の技術を教えてくれる一冊です。
この本の心理誘導の技術は単なるテクニックではありません。人間の本質をとらえたもので、そこら辺の心理学の本とは全く違います。まず、相手に関心を持つこと、興味をもって相手をみることが、すべてのはじまりです。
相手に興味を持ちながら、相手との信頼関係(ラポール)を構築した上で、心理誘導のテクニックを使えば、それこそ鬼に金棒ということでしょう。
あいまいな表現の中に相手への期待や良いイメージを織り込んだりして、相手の潜在意識に刷り込むのです。
あいまいなことを言ってゆく。・・・「君はとっても魅力的だ」と言っても大した効果は期待できない。「君には不思議な魅力があるね」「君はとても興味深い人だね」・・・とか、そのようなあいまいな表現が、彼女の中で、「この人は私の中に私も知らない何かを見出しているのかしら」と膨らんでゆく。(p151)
質問して相手に言わせる
ビジネスの世界では、自分が答えを持っていても、あえて質問して相手に言わせるというテクニックがあります。相手に言わせることで、相手を納得させるわけです。
この本では、その変化として、わざと間違えて、相手に突っ込みをいれさせ、相手を納得させる技術を紹介しています。
こちらがいかに理論整然と説得しても相手は納得してくれません。相手に納得させたいことは相手の口から言わせる。そのための一つの方法として、わざと間違えて、相手に正しい答えを言わせるというテクニックがあるのです。(p111)
催眠誘導のテクニック
この本では、男性が彼女をリードしていくことを例にしながら、催眠誘導のテクニックを教えてくれますが、仕事にも家庭にも応用できるはずです。
人間関係のに活用可能な必読の一冊として★5つとしました。
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この本で私が共感した名言
・人は無意識のうちにさまざまなイメージを空間的に配置しているということです。・・・私たちは脳の中まで見えませんので、表面的な視線の動きを観察すればよいのです(p62)
・カウンセリングの世界では、母親のことをしゃべらせたかったら、まずカウンセラーが自分の母親のことを話すというテクニックがあります(p70)
・自分をとことん騙して、新しい自分を演じてみる。それによって、あなたの潜在意識はエネルギーをポジティブな方向に変換してゆくのです(p214)
【私の評価】★★★★★(90点)
目次
第1章 人間関係の秘密―潜在意識と催眠
第2章 あの人の心をオープンに―ラポール
第3章 相手を意のままに動かす―潜在意識の誘導法
第4章 関係に変化が生じたとき―アソシエーション
第5章 結果が出せる、やってみよう―モチベーション
著者経歴
石井裕之(いしい ひろゆき)・・・1963年生まれ。有限会社オーピーアソシエイツ代表取締役。催眠療法「沢雉会」(たくちかい)を主催し、催眠療法による心の問題のカウンセリング、催眠ノウハウの活用セミナーなどを行っている。
催眠術関連書籍
「はじめての催眠術」漆原正貴
「コミュニケーションのための催眠誘導」石井裕之
「願いがかなうクイック自己催眠」フォーブズ・ブレア
「45分で強い自分になろう ~自信獲得プログラミングCDつき 」ポール マッケンナ
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