「「儲かる仕組み」をつくりなさい-落ちこぼれ企業が「勝ち残る」ために」小山 昇
2005/09/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(92点)
要約と感想レビュー
●小山 昇さんを知ったのは、
「「情報」で小さな会社も強くなる」
からですが、驚くのは、この本の内容から
さらに進歩しているということです。
良い会社の事例を真似てみて
うまくいったら続けて
うまくいかなければ戻せばいいのです。
・ひたすら自社を改善する仕組みをつくり、改善し続けたからこそわが社は増収・増益を達成できたのです。
●この本で紹介されている
「私が驚いた仕組み」を
紹介していきましょう。
まずは、勉強会でしょう。
早朝と土日に開催しているようですが、
導入の初期は社員からブーイングが
あったそうです。
それでもやらせるのは、
やれば結果が出るから。
結果がでなければやらないのです。
・他の多くの社長と接していると、業績の良い企業、悪い企業の明確な違いがわかってきます。社員を強制的に勉強させているところは業績が良い。逆に、社員の自発性に任せすぎているところは業績が悪い。それはもう面白いほどです。(p45)
●そして、社員が他の営業所を見学し、
社長の考えをレクチャーする
社内ベンチマーキング。
これは、大きな会社ではそのまま
応用できませんが、ちょっと視点を
変えるだけで活用できそうです。
つまり重要な指標を明確にする。
KPI(Key Performance Indicators)
をしっかり押さえておくのです。
・社内ベンチマーキングでは全社員を六組にわけ、・・・それぞれ一日ずつ計六日で全営業所を見学します・・・参加者は私の解説を無線イヤフォンで聞く・・私は「この営業所は、ここが素晴らしい」「ここが駄目だ」と、逐一解説します。(p100)
●コミュニケーション関係では、
飲み会のとき、必ず全員スピーチを
するそうで、これは驚きました。
飲み会も仕事の教育に活用するという
貪欲さが素晴らしい。
・わが社の飲み会では、最初に「チェックイン」と称するスピーチを全員が行います。こうすれば全員が発言することになり、自分の同僚がなにを考えているかを知ることができます。(p31)
●また、同僚に協力してもらったときなどに、
感謝の気持ちを書いてカードを送る仕組み
「サンクスカード」は、
個人でも活用できそうです。
現在は「サンクスカード」も
システム化されているそうです。
どんどん改善し進化していくのですね。
・コミュニケーションをさらに良いものにする目的でつくった仕組みが「サンクスカード」です。これは感謝の言葉を名刺大の紙に書いて部下や同僚、上司やビジネスパートナーに渡すものです。(p122)
●真似ることができるなら、やってみろ!
と言われているように感じるくらい、
武蔵野の仕組みを網羅した一冊です。
文句なく★5つとしました。
この本で私が共感した名言
・「強制的になにかをさせる」ということでは、私は毎朝三〇分の社内清掃を社員全員にさせています。だから社内はいつもピカピカです(p45)
・私が葉書を送るときは本文はもちろん手書きで、宛名にタックシールを使うこともありません・・ITでは心そのものを伝えるのは難しい。だからそれだけでは人は育ちません。(p18)
・課長職以上の社員とは二ヶ月に一度、必ず一緒に酒を飲みます。人数の問題もあるので六つのグループにわけ、二ヶ月で一巡させる仕組みです・・予定を公開すれば、社員は「ああ、社長は公平なんだな」と思ってくれる。(p21)
・毎年夏、わが社は奥多摩の河川敷でバーベキュー大会を実施します・・・これは「皆で同じことをして価値観を一つにする」という目的もあります・・・だから参加を強制しています。不参加は欠勤扱い。逆に、参加すれば賞与の評価につながる仕組みになっています。(p49)
・わが社の総務はたった一名です。以前は四名体制で業務をこなしていたのですが、仕組みの改善を重ねたことで一名でも業務がこなせるようにしたのです。(p116)
河出書房新社
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【私の評価】★★★★★(92点)
著者経歴
小山 昇(こやま のぼる)・・・1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して株式会社ベリーを経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰。1989年より社長に就任して現在に至る。2001年から同社の経営の仕組みを紹介する「経営サポート事業」を展開。全国各地で年間240回の講演・セミナーを開催している。1999年度「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」を受賞。2000年、2010年には「日本経営品質賞」を受賞
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