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「打たれ強く生きる」城山三郎

2003/04/30公開 更新
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打たれ強く生きる (新潮文庫)


【私の評価】★★☆☆☆(66点)


要約と感想レビュー

 1985年に財界に詳しい著者が書いたエッセーをまとめた一冊です。著者の人脈の中から人物の紹介、著者の体験がまとめられています。


 タイトルのとおり企業人は左遷もあれば、意に沿わない異動もあるし、人間関係で仕事がうまくいかないこともある。そうした苦難を乗り越えて、先人も自分を成長させて、成果を出している人が多いようです。


 なお、興味深いのは著者の生活でしょう。仕事は午前中に終わらせて、午後はフリーにしているようです。フリーの時間に人に会うことも多いという。


この本で私が共感した名言

・花王石鹸の入社式では、社長の丸太芳郎さんは・・・まず第一に、「会社の仕事以外に勉強をするように」とすすめた・・・第二に、文学や芸術に触れよ、ということ(p22)


・わたしは無用な消耗を避けようと、いくつかのささやかな「原則」を立てている。
 一、電話による依頼には応じない
 二、講演は引き受けない
 三、自宅で客に合わない(p27)


・新しい紙幣のデザインに、渋沢栄一が選ばれなかったことが、わたしは残念でならない(p42)


・第三の道・・・秀吉のいいなりになって命びろいするか、逆らって殺されるか。堺の豪商であった千利休は、後者を選んで、自ら命を捨てた。やはり豪商であったルソン助左衛門も、同様の選択を迫られた。だが、そのとき、助左が選んだのは・・・海外へ脱出して、新天地に生きるという第三の道である(p76)


打たれ強く生きる (新潮文庫)
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城山 三郎
新潮社
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)



著者経歴

 城山三郎(しろやま 三郎)・・・(1927-2007)名古屋生れ。本名、杉浦 英一(すぎうら えいいち)。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。


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