「日本復興計画 Japan;The Road to Recovery」大前 研一

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日本復興計画 Japan;The Road to Recovery

【私の評価】★★★★☆(86点)


■昨年の4月30日に発行された一冊です。


 驚くのは、この時点で原発の状況を的確に説明している点。
 (3号機の水素爆発も予測)


 さらに、柏崎刈羽原発での事故後に、

 1 複数の原子炉を同一敷地に置くのは危険。
 2 非常用電源の絶対的な確保が必要
   応急処置として、原理の異なる小型の発電機を設置。

 という提案もしている。


 電源がなければ冷却できない原子炉の弱点と、
 10台もの原子炉が集中立地するリスクは
 すでにわかっていたということです。


・東電という会社は、トップに原子炉のプラントで育った人が
 いなくなってしまった。原子力で発電量の35%を賄って
 いながら、現場を熟知した原子炉の専門家がトップにいない。
 ・・柏崎刈羽の事故で全員パージされてしまった(p53)


■そして復興への対応策も示しています。


 燃料プールの使用済み燃料は、
 シベリアか福島に埋める。


 計画停電は最悪。電力ピークのみ減らすため、
 休日をずらしたり、時間帯別電気料金で。


 期間限定の消費税増税。


 原子力は国で運営する。


 まったくその通りと、
 私も思います。


・計画停電の愚かしさについては、政府・民主党の最大の罪
 だったと思う・・・夜はピークを下回っているのに
 節電しても何の意味もない・・・電力需要のピークを
 下げることだけを集中的に考える
と、
 料金を時間帯によって変えるなど、
 アイデアは何十と出てくる。(p98)


■大前さんには現実と未来が見えるようです。


 そして本質的な解決策を
 提案する力をもっています。


 それが"本質的"であるからこそ、
 大前さんの提案は受け入れられないのでしょう。


 長期的な利益のために、
 短期的な痛みを受容するには、
 それを押し切れるリーダーが必要なのです。


 大前さんの期待は、橋本氏のような変人政治家。
 変人にしか現実は変えられないのです。


 大前さん、良い本を
 ありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・国民の家計所得をみたときに、
 日本は1991年に比べて、総額で12%も減っている・・
 米・英・仏で同じく家計所得の総額をみてみると、
 それぞれ約2~2.5倍になっているのである(p9)


・地域の繁栄をもたらすための道州制・・・
 国家財政が破綻するまで赤字国債を発行して、
 では日本全体が繁栄できたかといえば、補助金という
 酸素吸入がある限りはなんとかなるけれど、
 停止した途端に突然死、というのが
 現在の自治体の状況である(p107)


・「あなたにはセカンドライフで約8万時間もの
  自由になる時間があります。一日12時間として、
  それが20年続くと8万時間。さあ、何をしますか」(p122)


【私の評価】★★★★☆(86点)



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