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「マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!」藤巻健史

2011/06/28公開 更新
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マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!


【私の評価】★★☆☆☆(69点)


要約と感想レビュー

 福島第二原子力発電所のメルトダウンに気をもんでいる人も多いと思いますが、藤巻さんは国債のメルトダウンに気をもんでいるようです。つまり、震災の影響により、国債が暴落する環境ができつつあるということです。


 たとえば、放射能が怖くて観光客が来なくなる、流動性の高い現金を持つ人が増える、燃料の輸入が増え、国債収支が赤字になる。これらすべては、国債を買いにくくなる方向であるということです。


・私も固定性の資金を、流動性の高い外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)に多少なりとも移しました。・・・緊急時の人々の典型的行動だと思います・・・国債購入原資が減るということを意味する(p48)


 これに対応するためには、日本だけではなく、外貨建ての資産を持つということです。日本の国債がデフォルトすれば、大幅な円安、インフレになりますが、外貨建ての資産があれば、当面の資金くらいにはなるでしょう。反対に、外貨建て資産を購入してドルが1ドル60円、ユーロが1ユーロ100円に暴落したとしても、保険だと思えばあきらめもつくということです。


 現在は円高で、「仕事はなくなるけど、ハワイ旅行は安い」状況ですが、円安となれば「仕事はあるけど、ハワイ旅行は高すぎる」という状態になります。円安になってもハワイ旅行に行きたいのであれば、保険としてドルを今のうちに買っておけば保険となるのです。なお、外貨を持つとしても、分散させることが重要です。一国だけへの投資は避けましょう。


・今考えられる資産防衛の解は1つです。外貨分散投資、これしかないと私は思います・・・私は財政破綻を想定したポートフォリオを自分で組んでいました(p130)


 結局は、国債暴落や円安のための保険として外貨や株式を買っておきましょうという提言の一冊でした。私も外貨建ての資産は持っていますが、さらに保険のつもりで増やすつもりです。


 なお、投資のご判断は各自の責任でお願いしたいと思います。藤巻さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・公的年金を運用する独立行政法人(GPIF)も、国債の売却を開始し始めました。高齢化を背景に、年金給付額が保険や税金で賄いきれなくなったためです(p28)


・私は大きな円安が進行すると思っています。・・・1ドル80円が1ドル160円になれば、それだけで燃料の輸入コストは円貨で2倍になってしまうのです(p51)


・期間が長い債権は、世界的にインフレが来ると思うので、私は遠慮します(p141)


・1ドル200円で日本経済の夜は明ける(p166)


・バブルの時は、なぜ狂乱経済だったのか?・・・それは地価と株価が急騰したからです。土地と株式を持っていた人が金持ちになったつもりになって消費を増やしたからです(p43)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★☆☆☆(69点)


目次

1 日本の財政はここまで悪化している!
2 分不相応に贅沢だったこれまでの生活
3 震災後、日本経済はどう動いたか
4 電力不足は経済にどう影響するか
5 財政破綻に拍車をかける大震災―資金繰りはどうすべきか
6 国債・円・株の暴落は避けられない
7 日本経済はこれからどうなるか
8 豊かでなくとも、豊かに生きる
9 危険な銀行預金から撤退せよ!―震災後の資産防衛法
10 日本経済復活へ向けて何をすべきか
11 日本経済復興へのシナリオ―長引く不況を分析
12 円が暴落した後、日本は復活する



著者経歴

 藤巻 健史(ふじまき けんじ)・・・フジマキ・ジャパン代表取締役。1950年生まれ。74年大学卒業後、三井信託銀行入行。85年モルガン銀行に入行。資金為替部長、東京支店長等を歴任し、銀行の自己売買取引で巨額の利益を上げ、「伝説のトレーダー」と呼ばれる。2000年退行後、(株)フジマキ・ジャパンを設立、ジョージ・ソロスの投資アドバイザーとなる。


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