人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「日本大沈没―明るい未来を迎えるための資産防衛術」藤巻 健史

2012/10/19公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

日本大沈没


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

 友人が「1000万円をドルに替えたよ」という話をしていたときに、持っていた一冊です。タイミングがよろしいようで。藤巻さんは円安を予想しています。


 冷静に考えれば、日本の財政破たんは時間の問題。さらに経済も弱くなれば、為替が円安に振れるのは当たりまえのように感じます。それを予想して、ヘッジファンドは円を空売りをするのでしょうが、なかなか予想が当たらない。日本の資金力に敗北し続けてきたということでしょう。


 金融機関が預かった預金で大量の日本国債を買っているのです。ほとんどの日本人は、間接的にですが、大量に日本国債を保有しているということです。さらに世界で一番大きい銀行であるゆうちょ銀行が国営です。日銀も国際を買っているのですから、ヘッジファンドでも簡単には勝てないのです。


・日銀が市場を通さずに直接、国から国債を買うことを「国債引き受け」と言います。いまは財政法第5条で禁止されています・・・日銀は現在、市場から国債を購入しています。「国債買い入れ」と言います。(p87)


 著者は増税とハイパーインフレは「国家が国民から富を奪うこと」と定義しています。しかし、単純に考えれば、財政赤字が永遠に続かないのは事実で、その先にあるのは増税と円安とインフレしかないのでしょう。


 30年にわたって使い切ったお金は、いずれは払わなくてはなりません。いま財務省が狙っているのは、ゆるやかなインフレでしょうか。インフレが調整できるとは私には思えないのですが。藤巻さんは円安、インフレで、日本は大混乱になると予想しています。しかし、そうした円安によって、日本の復活が始まるのです。日本頑張れ!


 藤巻さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

格差のない国、日本。ですから外国人が一様に、「日本は世界で一番成功した社会主義国家だ」と言うのです(p205)


・生活保護受給者は戦後の混乱期は200万人を超えていたのですが、いまは209万人・・いまの日本は戦後と同じくらい貧乏なのか・・・「生活保護支給額が高すぎて皿洗いが集まらない」という話をレストラン経営をしている友人から聞きました(p216)


▼引用は下記の書籍からです。
日本大沈没
藤巻 健史
幻冬舎
売り上げランキング: 394


【私の評価】★★★☆☆(72点)


目次

1 日本沈没の経緯
2 明るい未来を迎えるための資産防衛術
3 さらば社会主義国家・日本



著者経歴

 藤巻 健史(ふじまき けんじ)・・・1950年生まれ。74年大学卒業後、三井信託銀行入行。85年モルガン銀行に入行。資金為替部長、東京支店長等を歴任し、銀行の自己売買取引で巨額の利益を上げ、「伝説のトレーダー」と呼ばれる。2000年退行後、(株)フジマキ・ジャパンを設立。


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへblogrankings.png


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
50,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
>>バックナンバー
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。
<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメント(2)

本のソムリエ様

毎日、楽しく読ませて頂きありがとうございます。

今日の紹介の内容とても、勉強になりました。

今、ドルを買うお金はありませんが、
いずれ、円の価値が下がるのは
事実だと思います。


独身の時みたいに余裕があれば
ドル投資したいです。

それより、国民にパンとサーカスを
与えているこの国の先を考えると
自分が今何をすべきか・・・・・。

しっかり考えていきたいと思います。


日本は、上手く出来た社会主義国とは、
みごとなたとえですね。

藤巻さんの本は、どれも勉強になるものばかりですね
ゆうちょ銀行があんなことになっていると初めて知りましたし
そもそも日本は、超がつくほどに巨大な福祉国家
あまりにも国民を助けようとするあまり、かえって国自体が自分の首を絞めてしまっているという現実
今の若い人たちが払っている国民年金の保険料は、毎月1万6000円
それに対して、お年寄りが払っていた国民年金の保険料は、たったの6000円程度
なのに、まったく同じサービスを受けている
しかも、これでもお年寄りの年金が払えないということで、莫大な金額の国債を発行しているという現実
本には書かれていませんが、これもまた大きな疑問です

アマゾンレビューには、藤巻さんを批判するだけでなく
擁護する人間をこき下ろすようなキチガイが多いようですが

国債が破たんしないというのなら、毎年100兆円ぐらい国債を発行すればいいのでは?
だって、”絶対に破たんしない債権”なんでしょ?
そして、海外純資産が400兆円ある、という主張もあるようですが
なら今すぐにでも、それを国債の償還に充てればいいのでは?
それができないのは、本当はトヨタなどの法人の預貯金や、民間人の預貯金の分も含んでいるので、400兆円ではないからではないかと
もしわたしが海外に預金があるとして、いきなり日本政府から「国債が危ないのであなたの預金を使わせていただきます」と言われても、絶対に「イヤですよ!」となるわけで
日本は確かに海外に資産を持っているようですが、これをあてにはしないほうがいいでしょう

あと、「日本は世界最大の債権国」ということですが
お金を借りている国というのは、お金がないから借りているんですよね?
もし日本がヤバくなってお金を返せと言っても、すぐには返せないと考えたほうがよいでしょう

こういう点で、国債が危ないと唱える方を批判する人間には、楽観的すぎる一面があると思います

コメントする


同じカテゴリーの書籍: