「なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか」藤巻 健史
2012/02/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
要約と感想レビュー
ユーロとは、ユーロ圏内の国々において通貨を統一したものです。実質的に固定相場制をとっていることになります。しかし、現実と乖離した固定相場制に無理がある以上、問題は再燃し、遅かれ早かれ、ユーロは崩壊するというのが著者の見立てです。
ただ、ユーロがどうなるのか。人民元はどうなるのか。ドルはどうなるのか。為替の未来は、だれにもわかりません。もし分かるのなら、投資して儲ければ大金持ちになれるのです。しかし、分からないから、市場があり、人々が取引し、泣き笑いをしているわけです。
今後、世界の為替相場はどう移り変わっていくのでしょうか。「伝説のトレーダー」と呼ばれる藤巻さんに聞いてみましょう。
この本で私が共感した名言
・日本では市場原理が働いていないため、円は変動相場制を採用しているように見せかけて、実は固定相場制だと思っています(p22)
・中国の人民元投資は・・・中国政府が為替統制を行っているので、預金預け入れはできますが、引き下ろすには限度があるのです。中国からの海外送金はできませんし、中国に行って現地で下ろそうと思っても、小額しか下ろせないのです(p79)
・為替は市場があまりに巨大すぎて、米国政府なぞが動かせるはずがありません。そんなの、市場で多少大きな金額を取引してみれば、すぐに実感できることなのです(p173)
・逮捕された米国人が、逮捕された時に、「投資が成功すると投資家と呼ばれ、失敗すると投機家と呼ばれる」とコメントしました。私は言い得て妙だと思いました(p194)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★☆☆☆(66点)
目次
1 国力が弱いのになぜ円は強いままなのか
2 それでも2012年が円安になる理由
3 個人はどう対処したらよいか
4 円安政策、時すでに遅し
5 一足先に地獄をみた国々
6 諸悪の根源は円高にあり
7 金融・為替に関するトンデモない誤解と嘘
付録 世界一わかりやすい「為替」の授業
著者経歴
藤巻 健史(ふじまき けんじ)・・・1950年生まれ。74年大学卒業後、三井信託銀行入行。85年モルガン銀行に入行。資金為替部長、東京支店長等を歴任し、銀行の自己売買取引で巨額の利益を上げ、「伝説のトレーダー」と呼ばれる。2000年退行後、(株)フジマキ・ジャパンを設立。
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