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「長期投資家がニヤリとする7つのメガトレンド 」澤上 篤人

2019/08/04公開 更新
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長期投資家がニヤリとする7つのメガトレンド (角川SSC新書)


【私の評価】★★☆☆☆(69点)


要約と感想レビュー

2007年のリーマンショック後に、さわかみファンドのオーナーが示す長期投資の考え方です。当時は日本の株式がバブル時代から下げ相場で、やや盛り返した後に暴落していますので、今が買い時であるとしています。つまり長期投資の利点は、市場が大暴落している時こそ、「安く買って高く売る」ための仕入れをする時期だというのです。実際に著者は買っていたのでしょう。


また、リーマンショックで米国で車の需要が激減していますが、冷静に考えれば、アメリカ国内を走っている自動車の台数は、約2億5000万台なので、10年に1度のペースで乗り換えるとした場合、毎年2500万台の新車販売需要があるわけです。新車販売台数は年間800万台まで落ち込んだとしても、そのまま落ち込んだままでいるはずがないのです。


特に日本はお金がじゃぶじゃぶと言われるくらい、金融緩和して市中に資金供給していますので、長期的には「インフレ」と見ており、インフレに対して預貯金は弱く、実物資産や株式で会社を購入することをお勧めしています。


・日本でも、少子化対策が叫ばれるが・・・選挙の投票を意識して高齢者対策が優先さえる一方で、日本の国力増強につながる人口増加ビジョンはあまりに貧弱である(p99)


投資方針としては、「エネルギー」「食糧」「環境」を中心としているとしています。中国やインド、ベトナム、バングラディッシュなど、これから発展していくだろう国々の需要拡大が、資源、エネルギー、食糧などのコモディティ(商品)価格を押し上げるとみているのです。


また、世界の人口は毎年約1億人ずつ増加しています。過去100年、世界経済は、年4%のペースで成長しているのです。この4%成長は、地球上の人口増加と経済の発展なのです。長期投資をする場合、こうした点を考慮しなくてはならないのです。


一般的には、さわかみファンドはTOPIXとほぼ連動しているという評価のようです。それにもかかわらず毎年1%の手数料は、やや高めか妥当なのかということなのでしょう。澤上さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・水は、極めて重要な資源だ・・・実は海も含めてたくさんある水のなかで、飲料はじめ生活に用いることのできる水は、全体の2%程度なのだ(p88)


・日本の年金運用・・いっそのこと年金運用は廃止したら・・グリーンピアのような問題も起こらない・・社会保険庁なども必要ないし、いろいろなコストも大幅に節減できる(p134)


・世代別に個人金融資産の比率を見てみよう・・・
 29歳以下・・0.66%
 30~39歳・・5.73%
 40~49歳・・11.46%
 50~59歳・・22.00%
 60~69歳・・32.93%
 70歳以上・・30.13%(p139)


長期投資家がニヤリとする7つのメガトレンド (角川SSC新書)
澤上 篤人
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)


目次

序章 大きく変わる世界の潮流を読み解こう
第1章 金融の時代が終わり、実物経済の時代へ
第2章 本格的インフレというメガトレンド到来
第3章 新興国の成長で資源、食糧、環境すべてに投資不足
第4章 日本の産業構造が激変するのもメガトレンド
第5章 機関投資家の運用にも厳しい環境が待っている
第6章 個人金融資産は預貯金指向から投資へシフト
第7章 日本の金融ビジネスに地殻変動と新風が
終章 時間を味方につけて、おおらかな運用を心がけよう



著者経歴

 澤上 篤人(さわかみ あつと)・・・ 1947 年 3 月28 日生まれ。さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信会長。1971 年から 1974 年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後 1979 年から 1996 年までピクテ・ジャパン代表を務める。1996年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立。販売会社を介さない直販にこだわり、長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を 1999 年から運営している。同社の投信はこの 1 本のみで、純資産は約 3300 億円、顧客数は 11 万 5000 人を超え、日本における長期投資のパイオニアとして熱い支持を集めている。


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