■大前研一氏の強さは、海外を含めたコンサルタント経験から、
視野が非常に広いということでしょう。
歴史的な背景を説明しながら、
問題を指摘して、こうすればよくなった事例があると
ベスト・プラクティスを示すことができるのです。
・大学の役割・・・「社会人として飯を食べていくために必要なスキル
を身につける場所」である。・・・大学教育にアカデミックなことなんて
まったく必要ないし、大学と呼ぶ必要もない。(p117)
■また、役人でもなく、産業界にも属さないため、
制約のない自由な主張ができることが大きいと思います。
特に政治については、核武装論、靖国問題の異常さ、
役人の犯罪についてはっきり主張できるのは、
しがらみをまったく考慮していないので、気持ちがいいくらいです。
・本来なら日本の新聞は、北朝鮮が核ミサイルを配備したら日本は
どうするべきなのか、という問題を提起しなくてはならない。非核
三原則は「我が国は核抑止力のない丸腰の国です」と北朝鮮に
宣言しているようなものである。(p131)
■こうして読んでみると、海外の経験が長く、日本のあり方を指摘し、
人材の育成に活動する大前研一氏は、現代の福沢諭吉ではないかと
思いました。
多くのしがらみから、すぐに実現は難しいのでしょうが、
現実を直視し、率直に判断するとこうなるのだな、と思いながら、
★4つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・日本政府は強い産業が嫌いである。アメリカが日本の強い産業
(歴史的には繊維から始まって、テレビ、自動車、半導体・・など)
が嫌いだからだ。日本政府はアメリカに目をつけられた産業の勢力を
削ぎ落とすことを自分たちの任務と心得ている(p36)
・国の政策や予算を実質的に決定している官僚が私たち国民に
損害を与えても、日本の現行制度の中では、その責任を問うこと
ができない。・・・課長以上の公務員はすべて特別背任罪の対象と
すべきである。(p146)
・日本人の大半は知らないようだが、銀行の企業に対する債権放棄は
法律違反である。・・・銀行の株主は「なぜ、地獄の果てまで追いかけて
いって取り立ててこないのか」と言うべきである。(p137)
▼引用は、この本からです。
小学館
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辛口かつ分かりやすい
歯切れがいい
大前流日本人への提言書
中庸
未来を切り開く為に【私の評価】★★★★☆(82点)
■著者紹介・・・大前 研一(おおまえ けんいち)
1943年生まれ。大学、大学院で原子力工学の博士号取得。
日立製作所を経て、1972年マッキンゼー入社。
日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。
1992年に「平成維新の会」を設立。
1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」
「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。
数多くの代表取締役、教授職を持つ。著書多数。
─────────────────
■関連書評■
a. 「考える技術」大前研一、講談社
【私の評価】★★★☆☆
b. 「ビジネス力の磨き方」大前 研一、PHP研究所
【私の評価】★★★☆☆
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