「アメーバ経営」稲盛 和夫

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役
【私の評価】★★★★☆89点


■著者紹介・・・稲盛 和夫(いなもり かずお)

 1932年生まれ。
 1959年京都セラミックス(現京セラ)を設立。
 1984年に第二電電(現KDDI)を設立。


●稲盛経営の一つの大きな柱といえば、
 アメーバ経営でしょう。

 会社を小さな組織に分割し、それぞれの組織(アメーバ)を
 一つの会社のように取り扱います。

 ・中小企業がどんぶり勘定のままで大きくなれば管理不可能となり
  潰れるとよく言われるが、当時の会社は、すでにその状態に
  近づいていた。(p28)


●社外のみならず、アメーバ同士の取引についても、
 それぞれのアメーバの利益を乗せた価格で取引が行われ、
 それぞれのアメーバが決算を行っています。

 つまり、社外と取引しているアメーバは市況により取引価格を変えるため、
 社内のアメーバ間の取引により、市況がすぐに全社に
 共有されることになるのです。

 ・アメーバ経営では、製品の市場価格がベースとなり、社内販売により
  市場価格が各アメーバに直接伝えられ、その社内販売価格をもとに
  生産活動がおこなわれている。(p135)


●決算といっても、会社の決算とはちがいます。

 労務費は経費に参入せず、その代わり、
 付加価値を労働仕事で割った数字を見るようにしています。

 ・経営というものは、月末に出てくる時間当たり採算表を見て
  おこなうものではない。・・・日々集計をおこない、その結果を
  スピーディーに現場へフィードバックしている。(p150)


●これは、アメーバが、人件費を
 コントロールできないこともありますが、

 時間あたりの付加価値を把握することで、
 労務費単価と比較することで、
 利益が出るか出ないかが把握できるからでしょう。


●しかし、実際にアメーバ経営を進めるなかでは、
 アメーバ間のさまざまな問題が発生しているのも確かです。

 システムに完璧なものはありませんから、
 そうした問題を解決するためにも、会社の理念の共有や、
 部門リーダーの調停が必要なのです。

 ・アメーバ経営を実践していくと、担当している事業を守り、
  また伸ばしていくために、リーダーが優秀な人材を自部門に
  囲い込むようなことが起こる。・・・しかし、それでは適材適所
  の人材配置ができなくなり、会社全体の進歩発展が阻害されてしまう。(p242)


●アメーバ会計を維持するのは、たいへんなことでしょう。

 それでも独自の管理会計を推し進める稲盛さんに、
 ドンブリ勘定に対する危機感を感じました。

 アメーバ会計だけでなく、経営そのものについて示唆に富む
 内容の一冊でしたので、★4つとします。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・金銭により人の心を操るような報酬制度を京セラはとっていない。
  ・・・アメーバがすばらしい実績をあげれば、会社に大きく貢献
  してくれたという理由で、信じ合う仲間たちから賞賛と感謝という
  精神的な栄誉が与えられる。(p84)


 ・技術的優位というのは、このように永遠不変のものではない。
  だから、企業経営を安定させようと思うなら、たとえ技術的に
  さほど優れていなくとも、どこでもやれるような事業を優れた
  事業にすることが大切である。(p92)


 ・外注を増やすことで、自部門の従業員を減らして、「時間当たり」を
  よくすることは可能である。しかし、それでは永続して事業を発展させて
  いくことはできない。・・・製造業であれば自社内で重要な技術を蓄え、
  創意工夫を重ねて付加価値を高めていくべきである。(p234)


▼引用は、この本からです。

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役
稲盛 和夫
日本経済新聞社
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4 突き詰めると人材育成が肝
5 盛和塾は何を勉強しているのか
3 稲盛さんの経営理念,実学書を期待してはいけない?

【私の評価】★★★★☆89点


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