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「ど真剣に生きる」稲盛 和夫

2022/10/03公開 更新
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「ど真剣に生きる」稲盛 和夫


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

 稲盛 和夫氏が亡くなったとの報に接し、稲盛氏について復習しようと思い手にした一冊です。78歳となった稲盛氏がJALの再建に取り組みはじめた頃の書籍です。稲盛 和夫氏はもちろん京セラを創業した偉大な経営者なのですが、この本を読むとそうとうの苦難を乗り越えてきたことがわかります。


 会社に入ったら給料遅配、オーナー一族の内輪もめ、労働争議で社員もやる気なし。稲盛氏も自衛隊への転職を考えていたこともあったという。京セラを創業後も松下電器に部品を納入していたら厳しく値切られるし、創業三年目には高卒社員11人が定期昇給とボーナス支給を求めて要求してきたこともあったという。倒産しそうな会社を救済したときには労働組合が京セラを誹謗中傷し、新聞や雑誌でも中傷記事が続き、企業イメージは地に落ちました。


 そうした苦難にも、グチを言わず「ど真剣に」対応しているうちに物事は好転していったというのです。


・どこにも逃げていくところがない状況に追い込まれてからは、不平不満を並べることをやめ、目の前の仕事にど真剣に取り組むようにしました・・・そのときから、人生が大きく好転していったように思います(p3)


稲盛氏は、「どこまでど真剣に自分の仕事をやっているか、よく考えてごらんなさい」と問いかけています。


 ぼんぼんの三代目社長には、「あなたは何もわかっていないでしょう?」と語りかけ、だから「一番下っ端の仕事からやらせてください」と頭を下げなさいと助言しています。そうしなければ現場がわからず、従業員に的確な指示もできない、ボンクラ経営者になってしまうということです。


 そして稲盛氏の机の写真に「考えよ」と書いた札が置いてあるのに衝撃を受けました。人に厳しく、自分にも厳しいのです。


・私は盛和塾では、塾生に厳しく接しています・・・周囲から非情と思われるほど厳しく躾をすることは「大善」、ゆくゆくは優れた人物に育ちます(p18)


 もし、稲盛氏の心がわずかに弱かったら今の京セラはなかったのでしょう。


 JALの再建に取り組んでいる最中だからからもしれませんが、日本の官僚主導と、規制による参入障壁、さらにはいまだ企業グループ系列取引が幅をきかせていることを批判しながら、それでも企業家精神に富む中小企業が出てこなければ、日本に未来はないと断言しています。


 欧米では会社は株主のものであると考えますが、稲盛氏は、会社とは、従業員の生活を守ることにあるとしています。そして、集団のリーダーは、自分を大事にしてはいけない。集団のことを最優先で考えられるような人でなければ、経営者にはなってはいけないとしています。


 アメーバ経営という数字による経営と、会社は社員のためにあるという情による経営を両立させてきた稲盛氏に思いをはせました。日本人には稲盛氏の経営が合うのではないでしょうか。稲盛さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・「能力か人間性か」・・・「人間性が重要だ」と答えます(p31)


・愚直なまでに「いいことはいい、悪いことは悪い」ということを守っていかなければならない。都合が悪いからといって、その基準を変えたのでは、人生を踏み誤ると思うのです(p51)


・「おカネも技術もない。ないないづくしだが、人の心を頼りにして会社経営をしていこう」と思いました(p114)


・私が一番嫌いなのは威張っている人なんです。特に謙虚さのない人といいますか、若い者には横柄な口をきいて相手にしないとか、相手を見て態度を変える人は嫌いなんですね(p148)


・生まれてからの二十年は、社会に出るための準備期間。次の四十年は、社会のため、自己研鑽のために働く期間。最後の二十年は死、すなわち魂の旅立ちへの準備期間(p126)


▼引用は、この本からです
「ど真剣に生きる」稲盛 和夫
稲盛 和夫、NHK出版


【私の評価】★★★★☆(85点)


目次

第1章 リーダーの条件
第2章 挫折だらけの青春
第3章 会社は誰のものか
第4章 何のために生きるのか
寄稿 心に沁みた稲盛さんの言葉(藤井彩子(NHKアナウンサー))



著者紹介

 稲盛和夫(いなもり かずお)・・・1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、1997年より名誉会長を務める。また、1984年に第二電電(現・KDDI)を設立し会長に就任、2001年より最高顧問。2010年、日本航空会長、内閣特別顧問に就任。1984年には稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。経営塾「盛和塾」の塾長として経営者の育成にも心血を注いでいる


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