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「謎と疑問にズバリ答える! 日本史の新視点」新 晴正

2022/10/01公開 更新
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「謎と疑問にズバリ答える! 日本史の新視点」新 晴正


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 歴史小説「利休にたずねよ」を読んでいるとき、千利休についての記載があったので手にした一冊です。秀吉が利休に切腹を命じた理由については、表向きには大徳寺の門の上に利休の木像を置いたことが不敬とされたというものです。


 異説としては、利休が茶器を高額で売ったから、秀吉が利休の娘を側女に所望して断ったから、秀吉の朝鮮出兵に反対したから、堺の支配について秀吉と対立したからなどがあるという。このように数多くの説が出ていますが、真相は秀吉にしかわからないのです。これが歴史小説「利休にたずねよ」が書かれた理由なのでしょう。


・謹慎から切腹へ・・千利休・・七人の弟子のうち五人までがカトリックと深いかかわりを持っていた・・さらに、利休の後妻と娘もまたキリシタンだったと言われている(p80)


 秀吉は晩年、体調を崩すことが多く、利休や甥の秀次に切腹を命じたり、キリシタンを弾圧したり、朝鮮出兵を行うなど、人が変わったようになりました。この本ではキリシタン弾圧については、スペイン人がキリスト教を布教し、神社仏閣を破壊し、融和しようという姿勢がないこと。日本人を買い、奴隷として国外へ多数連行していること。キリシタン大名が長崎や浦上の地をイエズス会に寄進してしまっていたことから日本の植民地化を防いだと評価しています。


 キリシタン個人から見れば弾圧ですが、国家や組織のレベルと見れば、日本をキリスト教により支配することができなくなり、作戦失敗ということなのです。なお、秀吉の体調が悪く人が変わったようになった原因については、偏った栄養摂取が原因の脚気ではないかとの説を紹介しています。こうした推理を楽しめるのが歴史の面白いところなのでしょう。


・豊臣秀吉も脚気で亡くなったとする説が有力視されている。晩年の秀吉が悩まされていた、下痢や失禁、精神錯乱などはまさにビタミンB1不足によるものだという(p193)


 昔に学んだ歴史の授業を振り返るような気持ちで読みました。こうした本で歴史を遡ると、たった150年前の日本は江戸時代で、刀をぶらさげた武士が支配していたことを考えると、現代社会に生まれて本当によかったと感じます。


 歴史も深掘りするところが多いので、もっと関係書籍を読んでいきたいと思います。新さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・天正十年にローマに派遣された有名な少年使節団の一行が、世界各地の行く先々で日本の若い女性が奴隷として使役されているのを目撃(p27)


・スペインの思惑は貿易よりもキリスト教を日本に広めることで日本を植民地化する狙いであることを家康はたちどころに看破し、純粋に商取引目的で近づいてきたオランダのほうを選んだといわれている(p31)


・版籍奉還・・・権限が弱まることは否定できないものの、藩の存続を許され藩主自身も有力者としての身分が約束されるうえ、そしてなによりも藩が抱える莫大な借金を政府が肩代わりしてくれる(p37)


・江戸の土地は大きく三つに分かれていて、町人が住む町人地と寺社地が15%ずつ、残りの70%は武家地だった(p167)


・大名が江戸を離れて帰国する場合でも正室と後継ぎは江戸に常駐しなければならない決まりだった。つまり人質である(p168)


▼引用は、この本からです
「謎と疑問にズバリ答える! 日本史の新視点」新 晴正
新 晴正、青春出版社


【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

第1章 日本史常識が変わる新視点
第2章 歴史を動かした人間関係を読む新視点
第3章 あの人物のもう一つ別の顔を知る新視点
第4章 現代に遺された"痕跡"から真実に迫る新視点
第5章 裏のウラ側から歴史を推理する新視点



著者紹介

 新 晴正(あらた はるまさ)・・・石川県生まれ。経済紙記者として現役で活躍するかたわら、歴史への探究心とその該博な知識を活かし、歴史の意外な側面にスポットを当てる書籍を"黒子"として数々執筆。参画した書籍のベストセラー多数。本作は、その名ではじめて世に出す、ひと味違う日本史教養本である。


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