【私の評価】★★★★★(95点)
■JAL再建に貢献した稲盛さんの一冊です。
稲盛さんの経営哲学を説明しながら、
個別の経営者の質問に答えているのが、
新鮮です。
単なる経営論ではない、
実戦のアドバイスに驚きました。
・なぜ経営がうまくいっていないか。
それは、あなた自身がビルメンテナンスの事業を
よく理解していないことが原因です・・・
採算単位を細分化し、]
経営の実態を詳細に把握(p43)
■まず、アメーバ経営によって、
事業の採算性を細かく把握することを
勧めています。
現在、どれが儲かって、
どれが儲からないのか。
つまり問題がどこにあるのか
把握しなさい、ということです。
問題がわかれば、
手を打つことができるのです。
・レストランの場合、食材の在庫管理が難しいところだと
思いますが、安くなるからといってまとめ買いをするのでなく、
無駄を出さないため、当座に必要な分だけ
食材を仕入れればよいのです・・・
仕入れたものは、使おうと使うまいと
その日の経費としてすぐに処理します・・・
こうした計算した採算の実態を、
責任者だけでなく、全従業員に開示し、
採算意識を共有化するのです(p202)
■次に印象的だったのは、
事業拡張よりも、利益率の拡大を
優先すべきという点です。
利益率が低いままで
事業を拡大すれば、
いずれ事業は破綻します。
まず、小さいうちに、
高利益率経営のノウハウを
獲得するということです。
下請けでも高利益が出せれば、
どこでも戦えますし、
そうした力で体力をつけてからなら、
いくらでも道は開けるということです。
・自社ブランドで販売するには、
企画、デザインから宣伝、販売、
在庫管理とお金がかかります・・・
自社ブランド品は下請けメーカーにとって
悪魔の誘惑です。
安易に誘いに乗ってはいけません(p63)
■稲盛さんの回答に、
目からウロコでした。
経営者しだいで会社は変わるというのは、
本当なのでしょう。
それを実感しました。
中途半端なコンサルタントと話をするより、
得るものが多い一冊だと思います。
稲盛さん、
良い本をありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・ビルの設備管理では、ビルの地下にある
コントロールセンターで空調やボイラーの
運転を監視する業務がありますが、
それを一つの採算単位にします。
また、同じビルで夜間の清掃を担当すれば、
それも一つの採算単位になります。(p43)
・企業経営に何が大事かと言えば、
トップが従業員を魅了し、
経営者の思うことを従業員が積極的に
行ってくれるようになることに
尽きると思うのです(p100)
・「ウチにはそんな技術はありませんし、設備もありません」
と、不可能な理由を並べ立てる者がいました・・・
経営トップがやると決めた以上、
「半年先には必ずできるはずだから、
それに向けて、今から実験にとりかかろう」と、
技術者を奮い立たせるべきです(p118)
・何も手を打たず、全従業員が路頭に迷うことが善なのか、
十人に辞めてもらって、残る三十数名の従業員を
守っていくのが善なのか、という厳しい選択・・・
大きな善を為そうと思えば、普通の人から見れば、
「非情な人」と映ることがあるという意味です(p162)
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 5450
【私の評価】★★★★★(95点)
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 50,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |