「心をつかむ文章術 無敵の法則」奥野 宣之
2022/03/31公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
作家、ライターとして執筆活動を行っている著者が教える「読んでもらえる文章の書き方」です。言い換えれば、売れる文章の書き方でしょうか。著者は文章を書くプロなので、文章を買ってもらう必要があります。買ってもらえる文章とは、万人に受け入れてもらえる文章です。著者は「文章の負荷」を下げると表現しています。
文章の負荷を下げるためにやるべきことは、難しい単語を使わないこと、漢字を減らすこと、ざっと概要を示すこと、身近な例を示すことなど、です。確かに周りの文章を見ると、雑誌<ビジネス書<新聞と文章の負荷がちがうことがわかります。
・文章の負荷を下げる。目標は「小学生でもわかる文章」(p71)
また、プロの文章は読んでもらえなければ意味がありません。読んでもらうために若干の盛りや角度をつけることがあるようです。例えば、本のタイトルのように大風呂敷を広げてみたり、「〇〇は何のためにあるのか」と質問してみたり、「私は〇〇だ」と断言してしまうのも、読んでもらうための「つかみ」のあるあるです。
文章の最後の「落ち」としては、「さて、」「というわけで、」といった常套句で説明するか、開き直って「ここらで終わる」と断言したりするパターンがあります。著者が文章に必要なのは「正しさ」ではなく「納得感」であると断言しているように、文章をイキイキさせて読んでもらうためにはこうした技が必要なのでしょう。はっきり「断定する」ことで、価値がありそうに見える文章になるものなのです。
・再生可能エネルギーを活用した『次世代住宅』・・・「太陽光パネルで多少の電力をまななう家です」・・まず読んでもらえません(p42)
この本の良いところは、わかりにくい「モヤモヤ文章」とどんどん読める「イキイキ文章」を例示してくれることです。文章の技を説明しながら、具体的な文章を例示してくれるからわかりやすい。「イキイキ文書」はパッと見て、何が書いてあるのかわかるし、次を読みたくなって、なぜか最後まで読んでしまう文章なのだとわかるのです。
私もわかりやすい文章が書けるようになるのだろうか、と思いながら、メルマガを書く修業は続くのです。奥野さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・『〇〇が好きだ』と書いてみると、みるみるうちに一本できてしまうことがある(p60)
・おばちゃんの話題は、ご近所や息子夫婦などの身の上話・・・おっちゃん2人は、・・・日本の政局の話・・・おもしろかったのは、おばちゃんの話(p108)
・漢字の羅列・・・ライター業界では「お経」と呼ばれています(p136)
・どのページを開いても、必ず『見出し』が出てくるように、字数調整(p166)
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章【起】つかむ 読ませるための「高いハードル」を突破する法則
第2章【承】のせる あきずに読み続けてもらう法則
第3章【転】転がす 読み手の意識をコントロールする「展開」の法則
第4章【結】落とす オチをつけて、読み手を「納得」させる法則
著者経歴
奥野宣之(おくの のぶゆき)・・・1981(昭和56)年、大阪府生まれ。同志社大学でジャーナリズムを専攻後、出版社、新聞社勤務を経て作家・ライターとして活動。読書や情報整理などを主なテーマとして、執筆、講演活動などを行っている。
文章術関連書籍
「心をつかむ文章術 無敵の法則」奥野 宣之
「伝わる! バズる! 稼ぐ! 文章術」尾藤克之
「朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた 戦略的ビジネス文章術」野上英文
「リンボウ先生の文章術教室」林 望
「文章は型が9割」高橋フミアキ
「「残念な文章」が明らかによくなる本: 「なぜ」「どうして」をプラスするだけ!」前田安正
「臆病ネコの文章教室」川上 徹也
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