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「「残念な文章」が明らかによくなる本: 「なぜ」「どうして」をプラスするだけ!」前田安正

2022/11/17公開 更新
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「「残念な文章」が明らかによくなる本: 「なぜ」「どうして」をプラスするだけ!」前田安正


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

 本のソムリエは、「文章は短いほうがいい」と思い込んでいました。ところがメルマガを書いていると、それでは良い文章は書けないことを思い知ることになりました。この本は、文を短く書きながらも、相手に自分の言いたいことを伝えるコツを具体的に教えてくれます。


 よい文章のコツは5W1Hを意識しながら、「読み手の疑問」に答えることです。この「読み手の疑問」に答えることで、小説やエッセイのような膨らみのある文章を書くことができるのです。例えば、次のような文章があったとしましょう。


 久しぶりに読書会をした。議論が盛り上がって、楽しかった。


 読者はこの文章を読んで、「読書会の参加者が誰なのか、読書会はどれくらいの頻度で、何を読んだのか、楽しかったのはどこが楽しかったのか、そもそもなぜ読書会をしているのか」などと疑問を持つはずです。そうした疑問を文章に付け加えていくと、こうなります。


 メルマガ20周年を記念して、毎月読書会を開催することにした。新型コロナ禍のため対面の集会は難しい。ZOOMの有料アカウントを契約して、オンラインで開催することにした。読書会への参加者は、メルマガの参加者が7割。3割が友人だ。参加者は4,5人くらいで初めての参加者が多い。それでも課題本への感想を出し合うなかで、30分もすると笑顔で発言する人が多くなる。感想を通じて、参加者のキャラクターがわかるからだろう。意外だったのは、参加者の接続場所で盛り上がることだ。京都からの参加者がいれば、「今は紅葉がすごい」などと本とは別のことで盛り上がることがあるのだ。読書会の最後には「次は何を課題本にしたい?」と参加者に課題本を選んでもらっている。自分の推薦した本が課題本となると、その人は確実に参加してくれるからだ。


 私はあまり書きすぎは嫌いなのですが、「なぜ」「なぜ」「なぜ」と書いていくとそれなりのボリュームになっていくのです。相手に過不足なく情報を伝えるためには、それなりの文章の量が必要なのでしょう。


・自分が理解していることは必ずしも読み手が理解しているわけではない、ことを意識して書く(p80)


 小説やエッセイ的なよい文章であれば、自分だから表現できるイキイキとした描写を入れることがポイントです。例えば、次のような文章があったとしましょう。


 書斎にある本棚には、メルマガで紹介していない本が並んでいた。


 この文章だと読み手は、本棚についての具体的イメージをつかみきれません。「どんな本棚か、大きさは、本の並べ方は、本棚の雰囲気は?」など、細部を付け加えていくと、こうなります。


 書斎にある本棚は、木製でネットで購入して自分で組み立てたものだ。天井まで届く突っ張り棒付きの、棚が8段で幅1メートルほど。未読の本を著者名の「あいうえお」順に並べている。この本棚2つに、本のソムリエが未読の蔵書400冊が納められているのである。なお、メルマガで紹介した書籍は、読者にプレゼントするか売却して手元にはない。


・表現力とは、細部を徹底的に描写していくこと(p151)


 すべての項目において、具体的な「残念な文章」を修正していくことで、みるみるわかりやすい文章に変わっていくことに驚愕しました。たいして書くことがなくても、具体的な中身を説明するだけで共感されるような文章になるのです。


 後半は、起承転結を意識して長い文章を書いていくコツを説明しています。少しずつ文章を直していくので、文章を肉付けしていくプロセスがわかり、自分でも書けるのではないか、と思わせてくれる一冊でした。


 どうも文章が短すぎてわかりにくい、自分の思いが伝わらないと感じている人に読んでいただきたいと思います。★5としました。前田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・WHYを書き足していきます。すると・・具体的な内容が書き加わっていく(p6)


・「起」・・・これから書きたい内容の中で一番言いたいところ、一番印象的な部分をまず書けばいい(p182)


・推敲は、もともと中国唐代の詩人・賈島(かとう)が「僧は推す月下の門」の「推す」を「敲(たた)く」にするかどうか迷っていたところ、政治家であり文人の韓愈の助言で「敲く」にしたという故事(p216)


▼引用は、この本からです
「「残念な文章」が明らかによくなる本: 「なぜ」「どうして」をプラスするだけ!」前田安正
前田安正、三笠書房


【私の評価】★★★★★(91点)


目次

はじめに―「書ける!」「まとまる!」「伝わる!」
基本 「100字」程度の文章がまとまる!
応用 「500~800字」程度でしっかり書ける!
実践 「1000字超」でもスラスラ書ける!
おわりに―やさしく、誰にでもわかる文章で



著者紹介

 前田安正(まえだ やすまさ)・・・未來交創株式会社代表取締役。文筆家。文章コンサルタント。早稲田大学卒業、朝日新聞社入社。校閲部、整理部、用語幹事、東京本社校閲センター長、編集担当補佐兼経営企画担当補佐などを歴任。本紙上に漢字・日本語などに関するコラム・エッセイを十数年執筆。「文章の書き方・直し方」など、多くの企業・自治体の広報文・ニュースリリースのコンサルティングや研修を担当している。大学のキャリアセミナーにも多数出講。


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