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「職業、挑戦者: 澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」」上阪 徹

2020/07/24公開 更新
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「職業、挑戦者: 澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」」上阪 徹


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

小売業をやりたいからユニクロに転職

2016年からファミリーマート社長となった澤田貴司さんは、やりたいことをやる人間です。最初に入社した伊藤忠商事時代に、澤田貴司さんはアメリカのセブン・イレブンの買収・再生に関わり、小売業の可能性に気づきます。そこで伊藤忠商事社内で小売業進出を提言するも却下され、「どうしても小売業をやりたい!」という思いから、ユニクロに転職してしまうのです。


ユニクロではフリースを大ヒットさせ、社長就任を要請されます。しかしそれを断り独立。社長就任を断ったのは、仮に社長になっても自分の判断で好きなようにできないと思ったから去ったという。やはりユニクロでの最終決定権は、柳井さんが持っているのです。裏にはもう少しいろいろありそうですが。


その後はアメリカで流行していた企業買収・再生を日本でやろうと、投資ファンドを設立しています。最終的に、ファミリーマートの経営権を取った伊藤忠商事から請われて社長に就任することになるのです。


感銘を受けたのは、仕事への向き合い方です。例えば、ファミマ社長になる前に、社長自ら3週間店長研修を自ら受ける。食事も基本はファミリーマートの商品を食べており、時々競合の商品と食べ比べもしてみる。一人は寂しいので、社員と一緒に食べて、いろんな話をするのだという。


店舗のことを深く理解していない人間が、社長になるわけにはいかないという信念なのです。だから本社では、毎日のように社長が社員とブレストしているという。問題の本質を掘り下げて、手を打つという繰り返しなのです。そして店舗が変わらなければ、業績は変わらないのです。自分に厳しい人という印象でした。


毎朝、5時に起床するところから、澤田の1日は始まる・・・まずはエアロバイクを45分・・・それから、腕立て伏せと腹筋運動を各100回。その後はストレッチ。約2時間のフィジカルトレーニングは、すでに日課になっている。週末のどちらかは、加えて2,3キロ泳ぐ(p48)

誰も文句を言えないくらい仕事する

澤田氏は、いつも枠をぶっ壊そうと思って挑戦することで成長してきた人間だから、ファミリーマートの社長になっても、現場を知っている社長として経営改革を断行したいのだと理解しました。自分で『これだ!』と腹落ちして行動することで成果を出してきから、自分が一番努力する。誰も文句を言えないくらい圧倒的に仕事するのです。


さらに言えば、澤田氏の人脈がすごい。ユーミン、イトーヨーカドーの伊藤雅俊。セブンイレブンの鈴木敏文、パナソニック CNS社長の樋口泰行と際限がないのです。優秀な人たちと仲良くなれるのは、人間としての魅力なのでしょうか。


ファミリーマートは、コンビニ業界ではまだ苦しいポジションにいるようですが、注目していきたいと思います。上阪さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・絶対にさけなきゃいけないのは、上層部の内紛なんです。お偉いジジイたちの権力闘争ですよ。それが会社をダメにしていく(p23)


・1600ページあったマニュアルは、抜粋版として、1作業1ページで完結する漫画仕立ての100ページに整えられた(p21)


・あらゆる業務で徹底してアンケートをとれ、と澤田は言っている。そして寄せられた回答はすべてオープンにせよ、と。実際、澤田が行う社内向けの講演までアンケートを取っている。しかも、社内で共有するときにも一切精査されず、むしろネガティブなフリーコメント、澤田への辛辣な声からあえて順に並べているのだ(p36)


▼引用は、この本からです
「職業、挑戦者: 澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」」上阪 徹
上阪 徹、東洋経済新報社


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

第1章 リーダー改革―現場のために誰よりも、努力する
第2章 意識改革―やりたいことに徹底的に、こだわる
第3章 カルチャー改革―目に見えてわかる、変化をつくる
第4章 マーケティング改革―売り場を固めて一瞬で、伝える
第5章 制度改革―正しいことに挑む、仕組みをつくる
第6章 未来をつくる―地域とともに働く、生きる



著者経歴

上阪 徹(うえさか とおる)・・・1966年生まれ。 早稲田大学卒業後、ワールド、リクルートグループなどを経て、1994年よりフリー。 これまでの取材人数は3000人を超える。 毎月1冊本を書き続ける。


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