「世界が称賛する日本人が知らない日本2「和の国」という「根っこ」」伊勢 雅臣
2019/10/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
日本は「和の国」
皆さんお馴染みのメルマガ「国際派日本人養成講座」の伊勢さんの一冊です。今回は、日本の「根っこ」についての話です。
伊勢さんが説明する日本人は、昔から楽しそうであった。幕末から明治初期にかけて日本を訪れた外国人は、ほとんど異口同音に日本人がいかにも幸福そうであったと語っているのです。
そして、日本人は昔から清潔でした。日本には昔から民の幸せを祈る天皇という存在がありました。日本の先人がどうした歴史をつむいできたのか知れば、日本が「和の国」であるとわかるのです。そうした文化が、日本の根っこなのです。
大学時代から専門の勉強とは別に「国民文化研究会」(現在は公益社団法人)で歴史や文化を学び、アメリカが「自由の国」なら、我が国は「和の国」という「根っこ」があると感じていた(p22)
正直で正義を愛する日本人
さらに、今の日本を見れば、日本の「和の国」という根っこは確信に変わります。財布を落としても、帰ってくる。戦後、経済復興を果たした。砂漠化せず自然が残っている。他国の植民地になっていない。貧富の差の拡大を批判する人もいますが、他国に比べれば和の心で弱者に配慮しているのが日本なのだということです。
こうした正直で正義を愛する日本人の文化は、恥ずかしいことをしたくないという思いもあると思いますが、海外と比較すれば異例です。海外から見ると、バカ正直に見えてしまうのかもしれません。それだけ、海外では信用できない人が多いのです。
「お金を拾ったら警察に届ける」と言う日本人が、スペイン人、アラブ人、ロシア人などから「ナイーブすぎる」「バカだ」「どうして警察が信用できる?」と集中砲火を浴びせられる。これが現代社会の縮図であろう(p197)
日本を取り巻く諸国民は和の心を持っていない
欧米の歴史は戦争の歴史です。ジェフリー・パーカーが「近世ヨーロッパの最大の輸出品は暴力であった」というように、ヨーロッパ人は、南北アメリカ大陸もアフリカ大陸も、自分たちが「発見」した土地も原住民も、すべて自分の所有物であるとしたのです。
つまり日本を取り巻く諸国民は、そんなに和の心を持っていません。正反対であると言えるでしょうそれでも日本は「和の国」という根っこを大切に維持しながら外交をしていくべきというのが著者の主張です。
何度騙されても日本は一貫して「和の国」であり続けるのでしょう。伊勢さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・イザベラ・バードは米沢を見て「エデンの園」と形容したが・・本家は神が創造してアダムとイブに与えたもので、彼ら自身は何の智恵も努力も発揮していない。一方、「和の国」は我々の先祖が長い間の智恵と努力で自ら築き上げたものである(p66)
・メソポタミア、エジプト、インダス、中国の黄河流域がみな砂漠化していることを考えれば、農耕・牧畜が自然破壊を伴っていることがよくわかる・・・それに比べれば、縄文人たちは一万年以上もこの日本列島で暮らし、しかも豊かな自然を残してくれたのである(p71)
・一国民の「根っこ」とは、その国の先人の示した態度価値への共感だと筆者は考える・・「父は社員思いで、事業が苦しい時でも決して首切りなどせず、それで社員も頑張って、事業を発展させてくれた」(p20)
・かつての中央アメリカの人口は7千万人から9千万人と推定されているが、スペイン人の侵入後、わずか一世紀の間に、350万人に激減している(p57)
扶桑社 (2019-10-09)
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【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
はじめに 「令和」は「神意に適った和」
序章 国民の「根っこ」とは何か?
第1章 「和の国」の幸せ
第2章 「和の国」の誕生
第3章 「和の国」の理想
第4章 「和の国」を結ぶ皇室の祈り
おわりに 「根っこ」の回復を祈りつつ
著者経歴
伊勢雅臣(いせ まさおみ)・・・創刊23年のメールマガジン『国際派日本人養成講座』編集長。読者5万人。昭和28(1953)年東京生まれ。東京工業大学社会工学科卒。製造企業に就職。カリフォルニア大学バークレー校留学。工学修士、経営学修士(MBA)、経営学博士(Ph.D.)。社業のかたわら、私立大学の商学部・工学部で非常勤講師として「産業界の偉人伝」を講義し、評判を呼ぶ。平成22(2010)年、ヨーロッパ子会社の社長。平成26(2014)年より3年間、アメリカ法人社長。
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