【書評】「0秒で動け 「わかってはいるけど動けない」人のための」伊藤羊一
2019/10/11公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
仮説を持って動く
日本興業銀行、プラス、ヤフーと渡り歩き、ヤフーではアカデミア学長を務める著者の一冊です。
「0秒で動け!」というのは、一種の誇張であって、ある程度のデータを集め仮説を持って動くということです。仮説をひねり出し,その仮説から結論を出し,その結論に基づいて動いてみる。それを繰り返すから,本当の現実に近づいていけるのです。
データばかり集めて仮説を立てず、動かない人が多いのか、ということなのでしょう。
右脳で一瞬でポジションをとる→結論に紐づけているデータと事実を用いて一瞬で仮説を述べる→腹落ちしてすぐ動けるみんなも納得してすぐ動ける→失敗したら軌道修正(p11)
いかに組織を動かすのか
面白いのは、会社員としての経験が長いためか、いかに組織を動かすのか、という点が充実しているところです。
「一対多」「一対一」のコミュニケーションを使い分ける。根回し、仲間作り、共通の目的から入るなど著者も苦労してきたんだなぁと感じさせてくれるのです。
「正しいこと」を通すというよりも、最終的には、みんなが笑顔になれるような形で終えることを目指すのが、チームで「物事を動かす」時に大事なところです。もちろん、元々の目標・・というところは外してはいけません。それを前提としつつ、会議のメンバーが笑顔になることも大事だから同時に目指そうね、ということです(p182)
一歩を踏み出す勇気
人脈や人間関係も行動が大切です。質より量ということで、日々5分の雑談が大事なのです。
どうせ仕事をするなら、自分の関わる仕事をより良いものにしたいという思いは誰でも持っているでしょう。
そうした時に、一歩を踏み出す勇気をくれる一冊だと思いました。一歩踏み出せば、そこからまた学ぶことができるのです。
伊藤さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「自分の人生を変え,イケてる未来をつくるには,どうしたらいいですか?」・・私は,いつも同じことを言います。「今日の行動を変えましょう」(p4)
・たたき台が生まれて物事は進むわけです。要は,「頭出しの結論」とは,たたき台です。最初に意見を言うのはみんな怖いから,黙っているわけですね(p23)
・〇:調査を依頼されたら,その目的と方向性,報告書の体裁案だけ,翌日確認し,3日後にラフな体裁でストーリーを提出する
×:立派な形にしようと提出期限ギリギリまで1人で粘り,完成形で提出する(p29)
・自分の中で志が明確になると,身のまわりのどんな事象を見ても「自分だったらどうするか」ということを考えるようになります(p88)
・「業界を変える」でも「営業成績で1番になる」でも,「目立った成果を出して『情熱大陸』に出る」でも,何でも構いません。まずは宣言して,その目標にコミットしていきましょう(p104)
・一番下はマインドです・・その上にあるのはスキルです・・そして水面の上にアクション(行動そのもの)があります。行動は他人から見えるので,水面の上にあります(p9)
・周囲の期待値は下げておく・・・「正確ではないかもしれないんですけど・・」(p112)
・ヤフーでは社内制度として,週1回,1on1と呼ばれる振り返りのミーティングを行っています。マネジャーがコーチとなり,メンバーと振り返りを行うのです(p128)
・資料の1枚目に共通の目的を書いておく・・・ある会社を訪問した時のことです。あらゆる会議の資料の1枚目に、その会社の目的や信条が、必ず書かれていました(p176)
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【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第1章 結論を出せ!
第2章 一歩踏み出す
第3章 人を動かせれば、心配はなくなる
第4章 自分を動かし続ける「原動力」をつくる
著者経歴
伊藤 羊一(いとう よういち)・・・ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長。株式会社ウェイウェイ代表取締役。東京大学経済学部卒業後、1990年に日本興業銀行入行。2003年プラス株式会社に転じ、ロジスティクス再編、事業再編などを担当した後、2011年より執行役員マーケティング本部長、グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。ソフトバンクアカデミア(孫正義氏の後継者を育てる学校)に所属。2012年よりヴァイスプレジデント。2015年4月にヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院客員教授。2021年4月より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長に就任予定。
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