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【書評】「インフラ崩壊 老朽化する日本を救う「省インフラ」」根本祐二

2026/03/13公開 更新
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「インフラ崩壊 老朽化する日本を救う「省インフラ」」根本祐二


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー


日本のインフラの老朽化

1970年代の高度成長期に作られた水道、下水道、橋や建物が2030年以降建て替えが必要になりますよ!と警告する一冊です。参考までに法定耐用年数は水道管が40年,下水道管50年,橋や構築物は60年なので、水道や下水道は今の問題なのです。


高度成長期にはインフラ投資はGDPの10%でしたが、バブル崩壊以降は減少し、2006年以降は5%程度です。2009年の民主党政権の、「コンクリートから人へ」というスローガンは有名ですが、インフラ投資はアベノミクス期でも6%以下であり、ピークの半分程度に沈んでいるのです。


インフラ投資比率10%の時代に整備されたインフラが老朽化する・・予算はGDPの5%しかない(p36)

必要なものは必要、不要なものは不要

著者が解決策として提案しているのは、「必要なコンクリ―トは必要,不必要なコンクリートは不必要」ということです。具体的には、公共施設は6割カットし、土木インフラも量を削減しつつ機能の維持を優先するのです。


公共施設は官僚の天下りを増やす手段で、なくなってもそれほど困りませんが、土木インフラは生活に不可欠なネットワークインフラだからです。


著者の試算では公共施設は61%削減し、道路は45%削減、橋梁・水道・下水道は30%削減で、全体としての現状に比べて48%の削減が可能としています。


今必要なのは,インフラをすべて守るのではなく,必要最小限に減らすという政策への転換である(p63)

具体的な見直し方法

見直し方法としては、例えば、集約化によって学校は半減,学校以外の公共施設は7割減とします。


学校にプールを作らずに、民間スポーツクラブに水泳授業を委託する。図書館,体育館,プール,音楽室,図工室,会議室のように,学校にも地域にもあるものは共用化して、無駄な公共施設は作らないようにするのです。保育所、老人デイサービス、公営住宅などの福祉施設も民営化する。


市役所の駐車場は、駐車場会社に貸し付けて、一般駐車場として活用する。上下水道,社会教育施設,公営住宅など利用料の引き上げも必要でしょう。


土木インフラの間引き・・歩道橋,橋などを廃止する(p174)

コンパクト拠点構想

著者の提案は、1万人のコンパクトな拠点を1万カ所設置することです。その各拠点の1万人の人口を背景に、コンビニ、ガソリンスタンド、コインランドリー、銀行ATMは2000~3000人に1つ、スーパーは3000~5000人に1つ。病院は内科・外科・歯科それぞれ数千~1万人に1施設を立地するのです。


成功事例としては、岩手県紫波町オガール地区があり、定住人口半径500m以内で620人増加したという。コンパクトシティ構想のようなものと理解しましたが、この構想自体も民営化してみてはどうでしょうか。


根本さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・橋梁の建設ピークは学校と同様に1970年代である。この時期は年間1万本以上の橋が架けられていた・・・最近期2024年の架橋実績は203本である(p126)


・公共下水道・・・建設のピークは,1998年頃であり・・ピーク後の布設距離は年々減少しており,・・2023年度の実績は,ピーク時の約5分の1である(p140)


・本庁舎の人口1人当たり延床面積は,人口規模が小さいほど大きく・・・同一人口規模でも市町村別のばらつきが非常に大きい・・・例えば,人口3~5万人の団体・・・最大(0.6615m2)と最小(0.0221)の差は30倍に上る(p114)


・2024年時点での児童数最多の学校は、福岡県福津市立福間南小学校(1695人)・・・児童数1人の学校は20校存在する。さらに、1学級の目安35人に全校児童数でも満たない学校が1354校存在する(p252)


▼引用は、この本からです
「インフラ崩壊 老朽化する日本を救う「省インフラ」」根本祐二
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根本祐二 (著)、日経BP 日本経済新聞出版


【私の評価】★★★★☆(85点)


目次


序章 2040年の日本崩壊 衝撃の近未来予測
第1章 インフラ老朽化問題はなぜ起きたのか
第2章 インフラは今どのような状態なのか
第3章 インフラ老朽化問題の解決方法
第4章 「省インフラ」でインフラを持続させる
第5章 選択と集中を行うコンパクトシティへの転換


著者経歴


根本祐二(ねもと ゆうじ)・・・東洋大学名誉教授兼国際PPP研究所シニア・リサーチパートナー。1954年、鹿児島県生まれ。1978年、東京大学経済学部卒業、日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)入行。2006年、地域企画部長より東洋大学経済学部教授に就任。同大学大学院経済学研究科公民連携専攻長兼PPP研究センター長を経て2025年より現職。


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