【書評】「朝鮮史 地政学が示す隣国の悲哀」宇山卓栄
2026/05/22公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
日本の韓国統治の実態
代々木ゼミナールで世界史を教えている著者の宇山卓栄氏が、朝鮮半島の2000年にわたる歴史を読み解いた一冊です。
著者が指摘するのは、韓国の主張する「日本の植民地支配」の歴史的事実は、日韓併合は合法的で、朝鮮側の要望によってなされたものであり、日本は極貧状態であった朝鮮に、道路・鉄道・学校・病院・下水道などを建設したのです。
朝鮮総督府が最も力を入れたのが学校の創設であり、李氏朝鮮が500年かけても成し遂げられなかった民族文字ハングルの普及を、日本の統治行政が完成させたという評価も示されています。
また、日本が朝鮮王族と縁戚関係を結び、皇族女性の方子(まさこ)妃を韓国王族へ嫁がせたことも、著者は「同胞として扱った証拠」として挙げます。
1992年、宮澤喜一元総理は訪韓し、当時の盧泰愚大統領に慰安婦問題について謝罪し、1995年に日本政府主導で「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」が設立されています。なお、慰安婦問題では朝日新聞が「女性を強制連行したという記事」を取り消しています。
1965年には朴正煕(パク・チョンヒ)が日韓基本条約に調印し、韓国政府は日本から総額8億ドル(無償3億ドル、政府借款2億ドル、民間借款3億ドル)の支援を受けています。日韓併合もアジア女性基金も、お人好し日本人から金を出させるのがうまいのが朝鮮人なのです。
1910年の日韓併合は朝鮮側の要望によってなされたものです・・・日本は極貧状態であった朝鮮に、道路・鉄道・学校・病院・下水道などを建設しました(p19)
福澤諭吉が見捨てた朝鮮
本書の中で特に印象的なのが、福沢諭吉と朝鮮の関係についての記述です。
福沢諭吉は当初、朝鮮の近代化を積極的に支援しようとしていました。漢字を読めない朝鮮民衆のためにハングルで新聞を刊行すべきと提案し、漢字ハングル混合スタイルの「漢城周報」の創刊に関わります。しかし民衆は漢字が読めず、発行部数は3,000部にとどまり普及しませんでした。
19世紀末の朝鮮には、勢道政治勢力・親清開化派・改革派・親日開化派という4つの勢力が存在し、激しく対立していました。その混乱の中で閔妃政権が実権を握る状況を目の当たりにした福沢は、改革の見込みがないと判断し、朝鮮との決別を説く「脱亜論」を著します。
朝鮮人は道徳心を持たず、残酷・残忍で恥知らず、傲慢で自制心もないと断罪した福沢諭吉の見識には、今でも通用するように感じます。
福沢諭吉は・・・朝鮮とその背後にいる中国と断交すべきことを「脱亜論」に著します・・・儒教主義に沈潜して、形式やプライドに拘泥して・・道徳心を持たず、残酷・残忍で恥知らず、傲慢で自制心もないと言っています(p165)
中国の属国として歩んだ2000年
本書が最も力を入れているのが、朝鮮半島が中国の支配下に置かれ続けてきたという歴史的事実の解説です。
13世紀にモンゴルの元王朝に降伏した高麗は、それ以降、中国の属国という立場から抜け出せなくなります。朝鮮のような小国が大国に従うことを「事大主義」と呼び、上位の者に従うことを儒教的な美徳として内面化していったというのです。
李氏朝鮮時代には「儒林(ユリム)」という中国の出先機関が全国に680か所設置され、中国から資金援助を受けた私兵集団を抱え、その金の一部が中国へ上納される構造が続いていました。
また「貢女(コンニョ)」という、中国の高官に女性を差し出す慣行も5世紀から続いており、多くが性奴隷にされたといいます。
韓国の金泳三大統領が1995年に中国の江沢民国家主席との会談で日本の植民地支配を批判しながら、中国による2000年の支配については何も言わなかったという事実は、現代も「事大主義」が続いているということを示しているのです。
韓国はいつも一方的に自らが被害者であることを主張していますが・・・13世紀の元寇の時・・・朝鮮人はモンゴル人とともに、長崎県・対馬に攻め入り、男たちを殺し、女たちの手に穴を開け、紐を通して数珠つなぎにして連れ去りました(p65)
韓国現代史の暗部
本書の後半では、韓国現代史の暗い事件が説明されています。
朝鮮戦争開始からソウル市民を置き去りにして逃げた李承晩は、戦時中に反政府的な人物として登録されていた保導連盟員114万人を「スパイ」と決めつけて処刑を命じました。
また李承晩は1952年に竹島を含む海域に排他的経済水域を一方的に設定し、日本漁船327隻を拿捕、3,911人を拘束して8人を死亡させています。
朴正煕政権下では、KCIA(中央情報部)が金大中拉致事件を引き起こし、大統領自身もその暗黙の承認者だったとされています。
1974年の文世光事件では、朝鮮総連の支援を受けた在日韓国人が朴正煕の暗殺を試み、流れ弾によって夫人が死亡しています。日本政府は朝鮮総連への捜査を行わず、日本が朝鮮総連を庇う理由は謎とされています。
1979年にはKCIA部長の金載圭(キムジェギュ)が、朴正煕を暗殺しています。女子大生1名と歌手1名を呼び出した酒宴の席で銃殺されたのです。
ベトナム戦争では韓国軍が現地女性への組織的な暴行を行い、ライダイハンと呼ばれる混血児を数千から数万人残したとされます。
こうした日本ではありえないような事件を見ていくと、韓国人の異常さが際立ちます。
朴正煕がテレビに出ている歌手や女優を見て、「一度、彼女に会いたい」と言えば、秘書がすぐにKCIAに連絡を取り、KCIAはその歌手や女優が所属するプロダクションに圧力をかけ、差し出させました・・・200人を超えたとの話もあります(p258)
朝鮮との付き合い方
著者は朝鮮の歴史の教訓として、韓国に対して「助けない、教えない、関わらない」の非韓三原則を示しています。朝鮮には政治や社会がまともに機能した歴史的前例がなく、公益や公共の意識が根付いていないという著者の評価は、その通りなのでしょう。
一方で著者は、韓国の反日活動の背景には北朝鮮と連携する従北勢力があり、日韓分断を狙った北朝鮮の工作活動が実際に機能していると指摘しています。
そうであれば、反日活動に感情的に一喜一憂するのではなく、韓国を北朝鮮への防波堤として戦略的に位置づけ、支援すべき部分は冷静に支援するという対応も選択肢となるはずです。
しかし日本の学校教育では、朝鮮半島の歴史はほとんど教えられていません。本書のような資料で歴史的事実を学ばなければ、そうした戦略的な選択肢を考えること自体が難しくなります。感情論を超えて現実的な対朝鮮半島外交を考えるための土台として、本書を読む価値があると感じました。
宇山さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・前方後円墳は・・日本から朝鮮に伝わったことが判明しています。朝鮮半島南部の前方後円墳は日本統治の証拠と見ることができます(p30)
・朝鮮も同様に、下関条約で清からの圧政から解放された・・1897年、(中国からの)独立の記念として、新たに「独立門」を同じ場所に建てました。現在も残る「独立門」を、多くの韓国人は日本からの独立を記念したものと勘違いしています(p169)
・朝鮮総連・・・北朝鮮拉致に深く関与するなど不法活動を行っていく・・・朝鮮総連は朝鮮労働党の直属機関(p245)
・孔子学園という中国の文化交流機関が世界中に・・・1113か所もあると言われます・・アメリカの大学教授協会は2014年、「孔子学園は中国政府の出先機関として機能している」と警告を発しています(p145)
▼引用は、この本からです

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宇山卓栄 (著)、扶桑社
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 朝鮮人とは何か、その民族と社会 古朝鮮~高句麗・三韓時代
第2章 王朝と民族、朝鮮半島は誰のものか? 高句麗~高麗
第3章 なぜ、朝鮮は中国従属の道を歩んだのか? 三国時代~新羅
第4章 元寇の主役はモンゴル人ではなく、朝鮮人 高麗
第5章 李氏朝鮮、歪んだ支配構造 高麗末期~李氏朝鮮
第6章 聖君が集めた性奴隷「貢女」 李氏朝鮮前期
第7章 秀吉出兵、朝鮮軍と明軍の実態に迫る 李氏朝鮮中期
第8章 野蛮人にひれ伏す朝鮮王 李氏朝鮮中期
第9章 恐怖と狂気が響き渡る閔妃の宮殿1 李氏朝鮮後期
第10章 恐怖と狂気が響き渡る閔妃の宮殿2 李氏朝鮮後期
第11章 韓国王族に嫁いだ方子妃と日韓関係の真実 日本統治時代
第12章 済州島四・三事件の暴虐と鶴橋コリアタウン 大韓民国の建国、朝鮮戦争
第13章 橋上の市民を爆破して逃げた李承晩 朝鮮戦争時代
第14章 竹島を狙った韓国に惨殺された8人の日本人 朝鮮戦争時代とその後
第15章 怪物・朴正熙を生み出した韓国社会の闇 軍政時代1
第16章 なぜ、大統領は暗殺されたのか? 軍政時代2
第17章 ベトナム人虐殺、韓国が歴史にフタをした証拠 軍政時代3
第18章 流血の連鎖、光州事件、恐怖政治と破壊工作 軍政時代4
第19章 歴代大統領による「用日」路線の歴史 韓国現代史
第20章 サムスンとヒュンダイの闇史 現在とこれから
著者経歴
宇山卓栄(うやま たくえい)・・・1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。代々木ゼミナール世界史科講師を務め、著作家。テレビ、ラジオ、 雑誌、ネットなど各メディアで、時事問題を歴史の視点でわかりやすく解説。
朝鮮史関連書籍
「朝鮮史 地政学が示す隣国の悲哀」宇山卓栄
「韓国人に教えたい 日本と韓国の本当の歴史」黄 文雄
「朝鮮通信使の真実 江戸から現代まで続く侮日・反日の原点」石平
「こうして捏造された韓国「千年の恨み」」松木國俊
「本当は恐ろしい韓国の歴史」豊田 隆雄
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