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【書評】「戦 TELL-ALL BOOK」青山 繁晴

2026/07/17公開 更新
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「戦 TELL-ALL BOOK」青山 繁晴


【私の評価】★★★★☆(87点)
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要約と感想レビュー


反日工作宣伝活動との「戦」

共同通信記者として19年間の経験を持ち、現在は参議院議員を務める著者が、自身の取材と政治経験から書き下ろした一冊です。


タイトルの「戦」とは何かと思いながら読み進めると、それは戦勝国によるプロパガンダ(工作宣伝活動)との「戦」だということがわかります。あえてわかりにくいタイトルにしているのでしょう。


著者の主張によれば、中国の工作資金によって国際社会で反日工作宣伝活動が展開され、韓国がそれに追従し、アメリカも浸食されてきた。それを国内で支援してきたのが、日本のマスメディアと教育だというのです。


なぜ著者がこうしたテーマを書くのか。ひとつは、共同通信での19年間の記者生活を通じて、日本のマスメディアに「日本の戦争責任」という視点が刷り込まれて、工作活動に加担してきた現実を実感してきたからだといいます。


もうひとつは、「覚悟を定めて使命を果たせ」「自分のために刀は抜くな、人のためにはいつでも抜け」という亡き両親の声が後押ししているというのです。


朝鮮半島と共産党支配化の中国だけがまったくの例外として「日本軍は悪逆非道だった」と年々、声高に叫び、これをアジアを代表する声かのように偽装したうえで熱心に追随する多数勢力が日本に満ちている(p82)

沖縄での反日工作宣伝活動

この本では、約半分が沖縄に関する話です。


真偽はわかりませんが、著者は仲井眞弘多前沖縄県知事時代に「この仲井眞弘多知事は、元は帰化人の一族のくせに中国になびかない。新しい傀儡知事を探す」と中国が決意し、沖縄県知事選に大規模介入したとし、その結果、県知事となった翁長さんは訪中し、李克強総理と自治体首長としては異例の直接会談を実現したと説明しています。


その後任の玉木デニー知事も国連人権理事会に出席し、「普天間基地を名護市辺野古へ移転することは民意無視だ」と演説することになるのです。これらは、世界に日本と沖縄が分裂しているかのように宣伝する中国共産党の演出であると著者は主張しています。


また、著者によれば、沖縄では「沖縄戦は本土が沖縄を捨て石にした戦だった」「昭和天皇の決断が遅れたから沖縄戦になった」「沖縄以外の日本人はすべて加害者で、沖縄県民はすべて被害者だ」という刷り込みが、教育とマスメディアによって徹底的に行われてきたといいます。


著者はこうした刷り込みに対して、具体的な歴史的事実で反論していきます。


「自決した学徒隊は、軍国主義に騙された」という刷り込みにたいして、「学徒隊は本土の先輩とも一緒に、人のために生きたのです」と答えています。


「沖縄戦は、本土が沖縄を捨て石にした戦だった」という刷り込みに対して、「戦艦大和も、全国から乗り組んだ3332人の国民が、ただ沖縄を護ると、こころをひとつにして帰らざる出撃をしたんだよ」と答えています。


「昭和天皇の決断が遅れたから沖縄戦になってしまった」という刷り込みに対して、「相次ぐ敗北と原爆の被弾のために軍部の発言権が著しく衰え、その隙を突いて超法規的に昭和天皇が踏み切られてようやく実現した」と答えているのです。


著者の沖縄での経験も衝撃的です。著者は、沖縄の少女たちの学徒隊は、ひめゆり、白梅以外にも全部で九つの隊があり、同じく悲痛な惨劇に直面したことを知り、天皇皇后両陛下の行幸を宮内庁に提案します。


行幸がほぼ内定したとき、仲井眞弘多(沖縄県)知事が「青山さん、宮内庁が急に断ってきましたよ」と電話してきたという。確認してみると、沖縄県庁の幹部が独断で宮内庁に電話し辞退していたのです。本当だとすれば、沖縄県庁の組織として大きな問題でしょう。


石垣市長の秘書係長の大城智一郎さん・・子供の頃から不思議に思っていたのです。沖縄戦は、本土が沖縄を捨て石にした戦だったと徹底的に教育されました。変ですよね。沖縄を捨て石にするのなら、なぜ本土から、こんなに沢山の若い人から中年の人まで、沖縄へやって来て必死に戦ったんですか(p295)

マスメディアのプロパガンダの実例

こうしたプロパガンダ(工作宣伝活動)は、安部政権でひどかったようです。


例えば、安倍総理が国会で「侵略戦争の定義は定まっていない」と発言すると、日本のマスメディアが「大問題」と一斉に報じ、中国や韓国がそれをロビー活動し、アメリカの主要メディアが「安倍総理は歴史の修正を図っている」と報じました。


実は、政府の統一見解として同じことを社会党の村山富市総理、民主党の玄葉光一郎外相も語っていたのに、安部総理だけ叩かれたのです。


また、その後の安保法制の時期も、ひどかった。


2015年、今上陛下(現・上皇陛下)が新年のご感想のなかで、「満州事変に始まる戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが今、極めて大切なことだと思っています」と仰ると、「集団的自衛権の行使容認などを進める安倍政権への牽制だ」と報道するメディアがありました。


実は、2003年の天皇陛下(現・上皇陛下)のお誕生日の記者会見では、「昭和の15年間は誠に厳しい期間でした。日本はこの期間ほとんど断続的に中国との戦闘状態にありました。済南事件、張作霖爆殺事件、満州事変、上海事変、そして昭和12年から20年まで継続する戦争がありました・・私どもは皆でこのような過去の歴史を十分に理解し、世界の平和と人々の安寧のために努めていかなければならないと思います」と語っているのです。


天皇陛下が同じことを言っても、安部政権下では問題としてでっち上げ、天皇陛下を利用するのが、日本のマスメディアなのです。


天下の朝日新聞・・・2015年10月19日月曜の朝刊で・・・「日本共産党が呼びかけた「国民連合政府」構想は安保法制を葬るという一点に絞っているのだから、民主党をはじめ野党はこぞって馳せ参じ、安倍政権の代わりに共産党を入れた政権をつくれ」(p241)

女系天皇の主張の背景にあるもの

マスコミで取り上げられる「女系天皇の皇位継承」については、中国共産党の対日工作の長期戦略の最重要ポイントだという。つまり、男系天皇の皇位継承を破壊することによって、天皇陛下のご存在の理由、かけがえのない価値の一部を破壊することを狙っているというのです。


国連の「女性差別撤廃委員会」が、「皇位継承を男性に限っているのは女性差別である」と日本政府へ「勧告」していますが、著者はこれも中国の対国連工作であると語っています。


ちなみに、安倍内閣は、国連の「女性差別撤廃委員会」で「日本軍が朝鮮女性を強制連行、慰安婦としたという話が、まったくの虚偽である」ことを説明しています。


テレビや新聞を見ているだけでは、まったく分からないことだらけでびっくりしました。


元共同通信の記者である著者の主張には一定の説得力があり、参議院議員である点はプラスとマイナスがあると感じました。


青山さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・安部総理の問い・・・「消費税8%への引き上げは確実にデフレ脱却を遅らせた。それを正直に省みて、二度目の引き上げをデフレ脱却の後にするのは当たり前ではないか。なのに財務省とその追従者が倒閣してまで延期を阻止しようとするのはなぜなのか」(p73)


・衛星放送(BS)のテレビ番組で「昭和天皇の降伏の判断が遅れたから沖縄戦になった、沖縄県民が昭和天皇に怒りを持つのは当然だ」というVTRが流された(p122)


・安保法制は最後まで、国民をどうやって護るかよりも、憲法に違反するかしないかが争われた・・・九条は前半で、武力による威嚇も武力の行使も永遠に放棄する・・つまり国際法が厳然と定めるところの主権国家が国民を護る手段を、すべて自己否定している(p235)


・国際法が認める自国民の正当な救出であっても自衛隊は何もできない・・・北朝鮮にしても、日本国民をどんどん安心して拉致できた(p239)


▼引用は、この本からです
「戦 TELL-ALL BOOK」青山 繁晴
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青山 繁晴 (著)、ワニブックス


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次


静かなる怒りの書
にほんの哲学を世界にそっと送り出すとき
1の章 ぼくらの祖国に、たった今、必要なもの
2の章 動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し
3の章 天皇陛下の語られる勅語をめぐって
4の章 祖国の沖縄 その一
5の章 祖国の沖縄 その二
6の章 祖国の沖縄 その三
7の章 祖国の沖縄 その四
8の章 祖国の沖縄 その五
9の章 祖国の沖縄 その六
10の章 祖国の沖縄 その七
11の章 沖縄から世界へ 日本の出番
12の章 心の分断国家を超克する
13の章 女と男、変化をいかに生きるか
14の章 ぼくらの目的地はどこにある
15の章 祖国の沖縄 ふたたび
16の章 響き合う世界
事実を記すということ
戦と、寛容と


著者経歴


青山繁晴(あおやま しげはる)・・・神戸市生まれ。慶應義塾大学文学部中退、早稲田大学政治経済学部卒。共同通信記者、三菱総合研究所研究員、独立総合研究所代表取締役社長・兼・首席研究員を経て、現・参議院議員(二期目)。派閥を超えた新しい議員集団「護る会」(日本の尊厳と国益を護る会)代表。ほかに現職は、東京大学学生有志ゼミ講師(元非常勤講師)、近畿大学経済学部客員教授。作家。


プロパガンダ関連書籍


「戦 TELL-ALL BOOK」青山 繁晴
「偽善者たちへ」百田 尚樹
「学校が教えてくれない戦争の真実 ─日本は本当に「悪い国」だったのか」丸谷 元人
「通州事件 日本人はなぜ虐殺されたのか」藤岡信勝, 三浦小太郎
「アメリカはなぜ安倍晋三を称賛したのか」古森 義久


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