「耆に学ぶ」清水克衛、執行草舟、吉田晋彩、西田文郎、寺田一清
2017/08/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
■本のソムリエの清水さんが、
実業家の執行さん、
茶道の吉田さん、
メンタル研究家の西田さん、
森信三の一番弟子の寺田さん
に声掛けしてできた一冊です。
テーマは「先人に学ぶ」。
昔は、怖い大人がいっぱいいたのに、
今はどこにいるんだろう。
この本で日本人を
叱ってもらうということです。
・嫌われると分かっていても言ってくれる。そういう大人が、この頃少なくなったと思いませんか(清水)(p21)
■最初の一発は、
執行草舟さんです。
いまの老人はだらしがない。
年金をもらって、
弱者として生きている。
美食、娯楽にふけり、
自分のことしか考えない。
誠に情けないと
叱っています。
・昔の日本人が恥ずかしくてやらなかったようなことを、今は堂々とやる・・特に目に余るのが「老人」です。自ら、現代の貴族である弱者を気取り、あらゆる恩恵を受けながら平然としている。嬉々として旅行したり、うまいものを食べたりして楽しみ、自らの健康と長寿のことばかり気にかけている(執行)(p38)
■人は、「どう生きるのか」
考え続けなければいけないらしい。
そう考え続けていれば、
ぼーっとして
老後を過ごすことはできない。
家族としてどうするのか、
地域をどうするのか、
日本をどうするのか、
地球をどうするのか。
使命、天命を考えましょう
という一冊でした。
皆さん
良い本をありがとうございました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・特に日本人はその歴史上、初めて人口が減るのです。新しい価値観を直観しなければ日本民族滅亡です・・ここは勇気をもって本を読んで、もっと変人になりましょう(清水)(p26)
・「どう生きるか」、そして「どう老い」、「どう死ぬ」のか。人生とはそれだけです。そして、それらを見つづけることが・・(執行)(p46)
・肉体の毒、精神の毒、文明の毒。そういうものを吸収すればするほど、人間は、賢く強く老いることが出来ます・・死んで最強とは即ち、歴史に残るということです(執行)(p50)
・家族ほど、自分のエゴを覆い隠すのに便利な存在はありません・・・妻のためとか、子どものためとか、大義名分のように掲げる人がいるけれども、本当は自分のためなんです。自分が臆病で卑怯なだけなんです(執行)(p53)
・人生の目的は、燃え尽きることにあります(執行)(p61)
・終末の文明が生み出した「社会保障の思想」は、生命の敵ということになります。社会保障は自分の生命の「安売り」の思想なのです。金銭、つまり「食物」を恵んでもらえば、自己の生命が死んで行くのです(執行)(p92)
・心の火とは、「なぜ、自分は生きているのか?」ということをしっかりと心に問いかけ続けることです(吉田)(p126)
・五十で天命を知るとはいいますが、この段階ではあくまで「知る」だけです。七十になり、思うままに生きても、人の道から外れるようなことはなくなる。それが「分かる」ということです(西田)(p131)
・使命感のような良い心は理屈ではありません。損得の判断を超えたところにあります。これは、祖先からの伝承伝達なのです。あなたは親から「人様に後ろ指をさされるようなことをしてはいけない」と教えられたはずです(西田)(p137)
・田中清玄さんは東大に入り、学生時代に共産党員になりました・・昭和五年に和歌浦事件という官憲との銃撃戦を引き起こします。事件の直後、お母さんが割腹自殺をしました。「おまえが共産党に入って家門の名誉を傷つけた。ご先祖に申し訳が立たない」(西田)(p143)
・女房が小言を言い出したら、「あぁ、おまえだけだ、俺のことを心配してくれるのは!飲みすぎちゃダメだ。ありがとう!」と言うと、鬼婆がやさしい女神さまに変わります(吉田)(p158)
・天命を知ったからには何ができるのか、何を社会のためにやるのか、いよいよここからなのです(吉田)(p162)
・"天下第一等の師につきてこそ人間も真に生甲斐ありというべし"「森信三 一日一語」(寺田)(p175)
・立腰こそは身心相即。身と心は一体です。ですから、体をシャンと立てていると、心も自然にしっかりしてくるのです(寺田)(p188)
・"教育とは人生の生き方のタネ蒔きをすることなり"『森信三 一日一語』(寺田)(p190)
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【私の評価】★★★★☆(88点)
■目次
いまこそ、耆に学べ(清水克衛)
毒を食らえ(執行草舟)
主を起こす(吉田晋彩)
答えは問処(脳)にあり(西田文郎)
生涯の師に奇しき邂逅(寺田一清)