本のソムリエおすすめ本を紹介する書評サイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「中国GDPの大嘘」高橋 洋一

本のソムリエ 2016/12/29メルマガ登録
このエントリーをはてなブックマークに追加

中国GDPの大嘘


【私の評価】★★★☆☆(74点)


要約と感想レビュー

 財務省(大蔵省)出身で、消費税増税に反対してきた高橋さんの一冊です。高橋さんの見立てでは中国の経済統計は捏造されたもので、GDPは半分以下。経済成長ではなく、経済縮小が起こっていると分析しています。


 長年、経済統計を捏造してきたので、実際のGDPは公表されている数値の三分の一ではないか、というのが著者の推測です。中国は世界の大国として軍事力を強化し、周辺諸国の領土侵略を続けていますが、その資金は国民から集めたものなのです。


・私は、中国の実際のGDPは、公表されいてる数値の三分の一程度ではないかとさえ思っている(p54)


 今後、中国で想定されるのは、不動産バブル崩壊による何十年も続く経済低迷です。外国企業は撤退しようとしても邪魔されて撤退できません。国内では経済低迷や腐敗への反発で、デモや内乱が増えていくだろうと予測しています。


 最後は、経済的混乱を誤魔化すために、アルゼンチンのように紛争地で侵攻を始める可能性があるとしています。実際に中国は国民の目を海外に向けさせるために、ベトナム侵攻した実績があるのです。


・中国は経済的にも政治的にも行き詰まっている・・撤退しようとする企業は、なんとか引き留めたいので、地方政府が許可を出さない。あるいは、解雇される現地従業員に法外な退職金を要求させる。など、あの手この手を尽くしている(p24)


 海外進出する場合には、5年、10年ではなく、30年、40年先を考えないといけないのだと思いました。中国のように短期で経済が下落する可能性がある場合には、5年で投資を回収してしまい、いつでも撤退できるようにしておくという考え方が必要なのかもしれません。さて、今後、中国経済はどうなるのでしょうか。


 高橋さん、良い本をありがとうございました。



この本で私が共感した名言

・ソ連崩壊まで世界は騙され続け、国民所得の伸びに至っては10倍以上にも膨らませていた。公表されたGDPも、実際はその半分程度だった(p2)


・経済成長が8%成長と発表された同じ年の電力消費が10%も落ち込んでいる・・起こりえないことが堂々と、『中国統計年鑑』に掲載されている(p39)


・中国が発表する統計のうち、数少ない、というか、唯一信用できるのが、この貿易統計。貿易統計は外国との関係もあって捏造しにくい。2015年1月から7月までの中国の輸入量は前年比14%減少となっている(p44)


・中国のPKO(株価維持策)で最も懸念されるのが、銀行を含む国有企業に株を買わせている、この驚くべき事実だ。特に銀行が保有する株の含み損は大きく、銀行破綻の発火点になりかねない(p77)


・アルゼンチンが、インフレで麻痺した経済運営から国民の目を逸らすため、イギリス領のフォークランド諸島に侵攻した例がある。中国が「仮想敵国」とする日本は、つねに覚悟を持っていなければならない(p189)


・まだ役所(財務省)に在籍していた1990年初めころ・・夜、外出先で宴席が設けられた。そこでとびっきりの美女が私のところに接待役として付いてきた・・いわゆるハニートラップだ(p18)


▼引用は下記の書籍からです。

中国GDPの大嘘
中国GDPの大嘘
posted with Amazonアソシエイト at 16.12.29
高橋 洋一
講談社
売り上げランキング: 25,483


目次

前書き 中国の偽造経済の影響を避けるために
序 章 孫子の兵法と偽造統計
第一章 偽造統計のカラクリ
第二章 株価暴落の全舞台裏
第三章 歪みに歪んだ実体経済
第四章 海外進出の末路
第五章 バブル崩壊の前兆現象
第六章 民衆の怒りVS.政府の統制
終 章 中国の「失われた一〇〇年」


【私の評価】★★★☆☆(74点)



著者紹介

  高橋洋一(たかはし よういち)・・・1955年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)等を歴任。小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍。(株)政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授。『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞受賞


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
blogranking.png
人気ブログランキングへ


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村

<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本 :



同じカテゴリーの書籍: