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「魔の薬(クスリ)―それでも覚醒剤をやりますか?」北芝 健

2016/02/10公開 更新
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魔の薬(クスリ)―それでも覚醒剤をやりますか?


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

 清原選手の覚せい剤ニュースを見て手にした一冊です。のりピー事件の頃、警視庁捜査官であった北芝さんが、日本の覚せい剤についてわかりやすく解説してくれています。


 日本では1951年(昭和26)年に覚せい剤取締法が成立するまで、芸能人の覚せい剤使用は当たり前に行われていたという。麻薬【クスリ】は、昔から、ハードな仕事である兵士や芸能人に使われていたのです。昔は合法の麻薬【クスリ】もあり、疲れたときに健康ドリンクを飲むようなものだったのでしょう。


・「ヒロポン」が合法だった頃、多くの芸能人がハードスケジュールと食糧不足のためにやむなく汚染されていきました(p59)


 そして現在でも、水商売や芸能界、新興宗教から一般市民まで麻薬【クスリ】が広がっているらしいのです。マイケルジャクソンも薬物大量投与で死んでしまったし、表に出た芸能人だけでものりピー、小向美奈子、押尾学が思い浮かびます。


 オウム真理教の施設でも、200万錠分以上のLSDの材料が押収されているのです。売春をしきっている人も、女性を覚せい剤でコントロールしている人がいるらしい。恐ろしい世界ですね。


・裏社会では「売春婦を三人飼っていると王侯貴族の暮らしができる」と言います・・その売春婦をつなぎとめておくために覚せい剤を与えるのです(p146)


 こうした情報を警察は、タレこみによりある程度把握していますが、逮捕・起訴するまでが大変なようです。裁判で確実に勝つために、決定的な証拠固めが必要であり、そこが難しいとのこと。北芝さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・覚せい剤は・・副作用も多く、のどが異常にかわく、汗を多量にかく、血圧が上昇する、便秘になる・・(p46)


・シャーロック・ホームズ・・彼はヘビースモーカーでモルヒネやコカインの常習者として描かれています(p66)


・北朝鮮こと朝鮮民主主義人民共和国・・中国との国境の町「青水」に旧日本軍が残した化学工場があります。そこを覚せい剤専用の工場として高濃度、高純度の製品を量産(p107)


・麻薬【クスリ】は古来より兵士の士気を高める目的で広まってきました。日本の覚せい剤、ヒロポンと同じこと(p114)


・警察はどの暴力団がどこで覚せい剤を売り買いしているのか、外国人密輸国のどういうルートで仕入れているのか、どんな芸能人、有名人とつながりがあるのか、大体のところは掴んでいます・・覚せい剤に関する密告はそれこそ引きも切らずにやって来ます(p153)


・オウム真理教は麻薬【クスリ】に手を出していました・・麻原教祖の神通力を演出するために必要だったからです・・教団の科学技術省大臣だった村井秀夫は・・覚せい剤製造の総責任者でもあります。彼を殺したのは広域暴力団関係者で在日コリアンでした。これは全くの偶然でしょうか(p156)


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【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

1 「のりピー事件と警察」
2 覚醒剤の基礎知識
3 有名人と麻薬"クスリ"
4 ニッポン覚醒剤事情
5 超巨大産業、麻薬"クスリ"シンジケート
6 「The drug history」
7 笑うドラッグマン
8 麻薬"クスリ"のない社会に



著者経歴

 北芝 健(きたしば けん)・・・元警視庁刑事。刑事警察や公安警察に所属していた。現在は犯罪学者として日本社会病理研究所主任研究員。空手6段。修道館館長。


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