人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?― 中国人のホンネ、日本人のとまどい」中島 恵

2016/02/09公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?―中国人のホンネ、日本人のとまどい


【私の評価】★★☆☆☆(67点)


要約と感想レビュー

 中国人の「爆買い」がすごい。ということで、現場はどうなっているのか、中島さんに教えてもらいましょう。まず、観光客の増加によりホテルとバスが足りなくなっています。しかし、多額の投資が必要となるホテルとバスが急に増えるかといえば、難しいのも事実なのです。


 そうした運転手不足は、運転手の長時間労働でカバーすることになります。観光バスの場合、ツアーに出れば何日も家に帰れないという。バス運転手の平均年齢は48.3歳と特に50、60代に集中しており、安全への不安がつのります。


 そして、外国人のマナーの悪さに怒っている日本人がたくさんいます。昔のバブル時代の日本人と同じように文化の違う観光客が増えると、どうしても問題が出てくるのでしょう。例えば、中国人ガイドが小声で『実際に出す料理は5000円のコースにして、各自から8000円を徴収するので、差額の3000円(×人数分)は私にキックバックしてください』と言っていたという。こうした文化の問題も、欧州の難民のように永久に居座るわけではないので、ある程度時間が解決してくれる問題かもしれません。


 問題の本質は、急激な環境変化に身の丈以上の投資をして経営を誤る会社が出てくることでしょう。好況も、不況もまたよし。不況のときには、不況なりにやることがあるのです。中島さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・人民元と円の為替レートは、12年2月には1元=12円だったが、13年2月には15円、15年2月には19円となり、3年間に約35%も円安が進んだ。(p24)


・「日本の暮らしはとてものんびりしいて、安心できる」と口を揃える。・・スリに遭わないか、タクシー運転手に遠回りされないか、この食品は本当に安全かということを24時間気にして生活しなければならない中国(p212)


・中国人同士であっても、上海人は四川省のことを何も知らないし、雲南省の人は北京には関心もない。それどころか、お互いの交流もほとんどなく、方言もまったく異なるのでコミュニケーションを取ること自体難しい(p68)


「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?―中国人のホンネ、日本人のとまどい
中島 恵
プレジデント社
売り上げランキング: 4,227


【私の評価】★★☆☆☆(67点)


目次

プロローグ バブル期の日本から見えてくる「爆買い」の未来予想図
第1章 中国人観光客急増!彼らはなぜ日本を目指すのか
第2章 現場で聞いた「中国人観光客の人気商品」
第3章 複雑な社会からわかるモノが売れる仕組み
第4章 爆買いに戸惑う声から探る「マナー問題」の解決法
第5章 大挙してやってくる中国人客は千載一遇のチャンス!?
第6章 中国人富裕層にとって日本は心のオアシス
第7章 なぜ彼らは「日本に住みたい」と思っているのか
エピローグ 日本旅行で中国人の対日観が塗りかえられていく


著者経歴

 中島 恵(なかじま けい)・・・1967年、山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経て、96年よりフリージャーナリスト。中国・香港・台湾など、主に東アジアのビジネス事情、社会事情等を新聞、雑誌、インターネット上に執筆


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村

blogranking.png
人気ブログランキングへ


■目次

プロローグ バブル期の日本から見えてくる「爆買い」の未来予想図
第1章 中国人観光客急増!彼らはなぜ日本を目指すのか
第2章 現場で聞いた「中国人観光客の人気商品」
第3章 複雑な社会からわかるモノが売れる仕組み
第4章 爆買いに戸惑う声から探る「マナー問題」の解決法
第5章 大挙してやってくる中国人客は千載一遇のチャンス!?
第6章 中国人富裕層にとって日本は心のオアシス
第7章 なぜ彼らは「日本に住みたい」と思っているのか
エピローグ 日本旅行で中国人の対日観が塗りかえられていく

<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: