「人と比べない生き方 劣等感を力に変える処方箋」和田 秀樹
2015/07/10公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
人間の特性を分析しながら、元気に力強く生きているためのコツを考える一冊です。
人間というものは、頭が良いようで、そうでもない動物です。協力して大きな仕事をする一方で、自己重要感を高めるために不合理な行動を取ったりする。人間が集まれば、人間関係が生まれ、派閥ができ、勢力抗争やいじめが発生するのです。
・他人と比べて負けていると思ったときに頑張ろうとする人と、相手の足を引っ張ろうとする人と、大きくわけて二つのタイプがいる・・(p43)
そうした人間の特性を理解しながら、いかに自分という人間を活かしていくのか。そのためには、本当の自分の人生の目的を見失わず、目的に向かった行動を取ることが必要なのでしょう。
なぜ、お金が必要なのか。
なぜ、働くのか。
なぜ、完璧を目指すのか。
そうした目的を意識していないと、目的と手段を一緒にしてしまう怖れがあるのです。
・格差社会が怖いのは、多くの人たちが望みを失って、自分より下の人間、ダメな人間を叩いて安心するところです(p117)
与えられた自分という条件のなかで、いかに幸せに生きていくのか、ということだと思いました。そのためには、自分の性格を理解しつつ、人生の目的を意識しながら生きていく必要があるのでしょう。
和田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・ラーメンの話のように、「人よりもちょっと深く語れる」といった程度のものでも、周りの興味を引きつけ、優越性を持つことができるのです(p76)
・アドラーが言うように、「大切なのは何を与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」(p76)
・長所が九個あって短所が一個しかないとしても、その一個の短所を、逆に一個しかないためによけいに気にしてしまうのが人間という動物なのです(p107)
・「自分は運が悪い」「すべて周りが悪い」と思う人・・・「自分が悪い」「すべて自分の責任だ」・・実は、世の中の人間はこの二つのタイプに分けることができる・・(p115)
・劣等生などに対して、「こいつのことをバカにしても大丈夫だ」と思うと、その人の欠点をあげつらってバカにし、それによってフラストレーションを解消しようとする(p109)
・人にはそれぞれ良い点もあれば悪い点もあります・・たとえ完璧を目指しても無理に決まっている・・自分でも気づかないうちに、何かの分野で完璧になろうとすることは往々にしてあります(p148)
・何か成功体験を得るまで「このやり方がダメなら別のやり方で」というようにあきらめないことが肝心なわけです・・・一つのやり方に固執しないことも重要(p192)
SBクリエイティブ
売り上げランキング: 8,315
【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
序章 幼いころから人と比べてばかりいませんか
第一章 対人関係の中での優越性
第二章 劣等感・コンプレックスとは何か
第三章 長所ばかり見る人、短所ばかり見る人
第四章 アドラーに学ぶ劣等感を力に変える方法
第五章 世の中に完璧な人はいない
第六章 他人とうまくやっていくための処方箋
終章 今日からコンプレックスから卒業できる!
著者経歴
和田秀樹(わだ ひでき)・・・1960年大阪府生まれ、精神科医。東京大学医学部卒、東京大学付属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。老年精神医学、精神分析学、集団精神療法学を専門とする
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ
コメントする