「ドロのかぶり方」尾藤 克之
2014/11/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(95点)
要約と感想レビュー
上司に恩を売る
議員秘書から会社役員を歴任した著者が教える、ドロのかぶり方です。ドロとは面倒なことを引き受けること。組織に属していれば、だれかがドロをかぶらなくてはならないのです。そのドロをかぶることで、上司に恩を売り、上司から引っ張ってもらえばいい。それが組織人の出世のコツなのです。
例えば、赤字の新規開発事業部のリーダーを引き受ける。不祥事の後始末を託されたリーダーなども、難しい使徒で誰もやりたがらないゆえに、得するドロなのです。もともとマイナスからのスタートですから、一定の成果を出せば評価される可能性が高いのです。
・言い訳はするな!・・・ドロをかぶる最大のメリットは、相手に「恩」を売れることです。・・・ドロをかぶるときは覚悟を決めて、徹底的にかぶりましょう(p21)
上司へのおべっかも必要
上司に認めてもらうためには、おべっかも必要です。仕事の進捗状況を逐一、上司に報告して安心してもらう。すべてお膳立てして、成果は上司のものにする。仕事がうまくいかなければ、「教えてください!」と、上司に相談すればいいのです。つまり、仕事で成果を出しても出世するわけではありません。人事評価は上司がするのですから、上司にとって自分が価値ある人間であることを理解してもらう必要があるのです。
時には、自分のことではなく会社のことを第一に考える上司がいるかもしれませんが、そうした人はごく少ないと考えてよいのでしょう。そういう意味では、すべてのドロを引き受けるべきではないのです。自分の立場を危うくするドロは、「お引き受けできません」と明確に拒否することも必要なのです。
・部長!教えてください!・・・「返しテクニック」としても使えます・・「自分はがんばっています」「課長から学びたいのです」といったことをアピールすることで、上司を自分の味方につけるのです(p48)
嫌な人物ほど積極的に声をかける
根回しの基本とするなど、議員秘書も会社員と同じだとわかりました。自分である程度の道筋をつけ、上司に報告とおうかがいを立てるという仕事の基本は変わらないのです。
馬が合わない人、自分にとって嫌な人物ほど積極的に声をかける、「今度、一杯やりましょう」を必ず実現するなど、秘書の人間関係構築術はすごいと感じました。私に一番足りないところだと思いました。
とりあえず、尾藤さんの書籍をすべて購入しました。皆さん、乞うご期待。尾藤さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・信頼を勝ち得るひとつの大きな条件は「口が堅い」ことです。・・・私の知っているあるドロかぶりのプロは、・・・他人の秘密に必要以上に踏み込んだり、呑みの席で他人の噂話をしたりするようなことは一切ありません(p38)
・立場が偉くなればなるほど、建前で話すのが普通なのです。ペラペラ本音をいうのは中間管理職までです(p184)
・「客観的視点」が重要・・・いちばん簡単な練習法は、自分をビデオでとることです・・自分のスピーチなり、商談なりをビデオ撮影し、それを見返すのが良い練習法となります(p31)
【私の評価】★★★★★(95点)
目次
第1章 ドロかぶりの7つの心得
第2章ドロをかぶる前の必須準備 自分の味方を増やすテクニック
第3章いざ、参らん ドロかぶりの基本テクニック
第4章 破滅しないためのドロかぶりのリスクマネジメント
第5章 応用ワザ満載ドロかぶりケーススタディ
第6章 幸せなドロかぶりの未来
著者経歴
尾藤克之(びとう かつゆき)・・・コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員。東京都出身。学歴は埼玉大学大学院博士課程前期修了。経営学修士、経済学修士。衆議院議員秘書、大手コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。社会貢献事業(アスカ王国)を運営。
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読んでいただきありがとうございました!
著者の尾藤克之です。
拙著のご紹介をいただき有難うございます。
丁寧な考察には驚くばかりです。
僭越ですがとり急ぎ御礼申し上げます。
こちらこそ良い本をありがとうございました。
人間関係は、今でも私の課題です。
こうした本を読みながら、少しずつ進歩していきたいですね。
本ナビでご紹介されていたのと、
そのタイトルのインパクトから手にしてみました。
責任の取り方にも型があり、
作法があるんだなとものすごく参考になりました。
見込みのありそうな若手にこっそり本を紹介しました。