「しごとが面白くなる平賀源内―江戸のベンチャービジネスマンの失敗に学ぶ」糸川 英夫
2013/05/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
要約と感想レビュー
■平賀源内というとエレキテルを作った、
というくらいしか知りませんでした。
平賀源内が得意だったのは「博物学」で
植物や動物、鉱石や金属に興味を持っていました。
日本全国の珍しい草木鳥獣魚介昆虫金玉土石や
外国の物産を集めて「物産会」を開いています。
・源内には核となり得るものがなかった。・・もしあなたが今いろいろなことをやりたいと思っているとしたら、まず核になるものは何かを決めることが大切である(p118)
■ところが、平賀源内は物産会を開いたり、
貝の百科事典を作ったり、
鉱石を発見したり、
いろいろなことに手を出しています。
発明も、石綿で防火布を作ったり、
寒暖計を作ったり、エレキテルを作ったり
していますが、どれも続かない。
どれもアイデアは良いのですが、
事業にはならなかった。
今一つ、深堀りと継続がなかったのです。
・平賀源内に欠けていたものは、その二つであった。人間の組織をいかにつくるのか、そしてそれをいかに上手に維持していくか、ということに関して徹底的に無自覚であった(p33)
■糸川先生の分析では、平賀源内は、
町の発明家であったとしています。
ちょっとした発明をして
小金が入ればうれしい、
といったレベル止まりであったと。
エジソンやファラデーのように
アイデアから事業化したり、
学問を形作ることはできませんでした。
確かにそうだけれども、
それでも平賀源内はたいしたものだなあ、と
私は感じます。
糸川さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・『聖書』には、嫉妬は人間の本性であってそれを避けて通ることはできないんだと書かれている。だから、イスラエル人と話していると、人間は ジェラシーを避けて通ることはできないのだから、日常、それを直視して生きるべきだ、ということをよくいう(p49)
・第一の人生の後、再々出発ということになった時、どういう出発をしたら良いか。今までやらなかったことに挑戦したほうがいいと思う。今までの視点で見えなかった部分で能力が発揮できるかもしれないからである。(p126)
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
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目次
第1章 平賀源内における失敗の研究
第2章 マルチ人間平賀源内の軌跡
第3章 平賀源内の脱サラから何を学ぶか
第4章 科学者としての平賀源内の力量
第5章 本職と余技
第6章 平賀源内と発明
第7章 組織工学からみた平賀源内
第8章 ふたたび「嫉妬」について考える
著者経歴
糸川 英夫(いとかわ ひでお)・・・・日本の工学者。(1912年7月20日生まれ、1999年2月21日没)専門は航空工学、宇宙工学。ペンシルロケットに始まるロケット開発で「ロケット開発の父」と呼ばれる。1967年、東大を退官し組織工学研究所を設立。
読んでいただきありがとうございました!
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