「日本脱出のすすめ―アジア的スケールでものを考えよう」邱 永漢
2013/01/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
要約と感想レビュー
何と1993年。バブル崩壊後に書かれた一冊です。それでも株価は15000円くらいあった時代です。「次の時代はアジア」という邱 永漢さんの言葉はやっと現実のものとなってきているようです。
・香港への引越しを決心させた理由・・・一番大きな理由は何と言っても「次はアジアの時代になる」と言う私の考え方(p26)
邱さんの面白いところは、経済を大きい目で見ながら、小さい商売もわかることです。
カネ余りになれば、金利が下がりますよ。そうすると土地を買う人が出てきて土地の値段が上がりますよ。これからは賃貸不動産の時代。だから賃貸に良い場所、東京の都心で高い建物の建てられるところがいいねといった具合です。
・株価と地価を抑え込んだために不景気になって税収が減ったら、減税にふみきるのが常識なのに、増税しましょうと来たから、さすがの私もあっ気にとられてしまった(p29)
商人というのは、大きい経済の流れを見ながら、自分の小さい商売も見ることが大事なのだなと思いました。邱さんなら今の日本を見て、天国でどんなことを言っているのでしょう。
邱 永漢さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・一つの国の文化を知りたければ、その国の言葉を研究しなさいというのが私のアドバイスである(p176)
・中国人は・・・学校を卒業して一時、会社に就職して他人のメシを食うことはあるが、それは、1仕事を覚えるため、2もっとよい職業に変わるまでの腰かけとして、また、3独立をする下準備に、といった目的があってのことだと思ったら間違いない(p192)
・日本人は勤勉を絵に描いたような働き者であった・・・一国の経済が発展するかどうかは、その国が働き者によって構成されているか、それとも怠け者によって構成されているか、によって運命が分かれる(p160)
・日本人が世界の金持ちになったのは、日本人が人々の欲しがる工業製品をつくり出すことに成功したからである。自動車でも家電製品でも・・(p168)
▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
目次
1 メシのタネはアジアに在り
2 財テクはバブルを踏みこえて
3 豊かさの中にこの貧しさ
著者経歴
邱 永漢(きゅう えいかん)・・・実業家。1924年生まれ。東京大学経済学部卒業。台湾より香港へ亡命し、直木賞受賞作家となる。その後、株の神様、お金の神様といわれながら、事業活動を行い、現在も年間120回飛行機に乗って、東京、台北、上海を飛び回る。著作は約400冊にのぼる。
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