「天下城(上・下)」佐々木 譲
2013/01/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
織田信長、豊臣秀吉の時代。戦国の世では、鉄砲が使われるようになり、城の形は、山城から平城へ、土塁から石垣へ変わっていきました。
この本では、石積み集団である穴(あのう)太衆の石積み職人の人生をたどり、戦国の世を感じさせてくれます。
「攻め落とされぬ城を作ってみたい」という石積み職人の主人公と、「天下一の城を作りたい」という織田信長。タイプは違えど、なにかを求める男の姿には、かっこいいなと感じました。しかし、人生五十年。(今は八十年)一生は短く、人が成し遂げることの限界も感じさせてくれます。
・市郎太、ひとは何か、こう激しく求めるものがないといかんぞ。それなしでは、まちがいなく老ける。そういうものを持て(下p427)
楽しみながら抵抗なく読み切ることのできる 二冊でした。こうして石積みという目を通して、ゆっくり歴史小説を味わってみるのも一興ですね。
佐々木さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・誰に使われようと、そこで見たこと聞いたことは他言せぬと、周りが信じるからこそ、この者たちは石積み職人として、ほうぼうから声がかかります・・・見ざる言わざる聞かざるは、石積み職人の不文律にございます(p127)
・竹をほどの太さに束ねて、これを木柵の外側に並べるのです。竹束は、種子島の弾をかなり防ぎます(上p168)
・火薬の製造に必要な硝石は、日本の国内では産出しない。すべて明国からの輸入となる(上p408)
【私の評価】★★★★☆(82点)
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