「すれ違ってしまった相手との心の修復法」中山 和義
2012/07/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
「話し方」で人間関係が変わる、という一冊です。ちょっとしたひと言。ちょっとした物のいい方。そんなところから心のすれ違いが増幅する場合があるようです。つまり、コミュニケーションが多ければ信頼感が醸成され、誤解や言葉のすれ違いがおこる可能性は低くなります。ちょっとした挨拶や言葉掛け、どうでもいい世間話、細やかな意思疎通で人間関係は良くなっていくのです。
例えば、「コップ取って」といった単純なひと言でも、「そのコップを取ってくれると嬉しい」とちょっとだけ自分の気持ちを付け加えるだけで、相手への伝わり方が変わるのです。
・心のすれ違いは、言葉のすれ違いから始まる(p1)
身近な人こそ、最後まで話を聞いてあげる。「そうだよね、わかるよ」と言ってあげる。答えを出してあげるのではなく、理解してあげることが必要です。特に女性の場合には、発している言葉だけでなく、その奥底に含まれる思いをつかんであげましょう。
また子どもに対しても、ねぎらいの言葉を意識しましょう。例えば、テストの結果が思っていたほど、良いものではない場合、「成績は残念だったけど、一生懸命に勉強していたね。お疲れ様」と声をかけてあげればいいのです。相手も自分の気持ちを察してほしい、と思っていることがあるのです。
・「夕飯、何にしようか・・」という質問の中に隠されている気持ちは「私は今日の夕飯の献立に悩んで困っている」という気持ちです。(p42)
会社でも、仕事を頼むときには、理由を添える。叱るときも期待を添える。そんなひと言が、人の心を動かすために必要なのでしょう。同じようにお願いするにしても、もっともな合理的な理由を添えてあげると、理解と納得してもらえれば、話は進むのです。
例えば家庭でも、「もっと、早く帰って来なさい」と怒鳴っているようなら、「遅くなると心配だから、12時までには帰って来て欲しい」と期待を話してあげた方が効果があるはずです。
・指示を与えるときに、目的を説明する・・「コーヒーを入れてくれる」とお願いだけをするよりも、「今日、重要な会議があって、眠くなるといけないから、コーヒーを入れてくれる」(p71)
非常に具体的。やさしい語り口でレベルの高い一冊でした。人は言葉ではわかっていても、実際できないところもありますが、それも人生の修行なのでしょう。中山さん、良い体験をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・心理カウンセラーが行ってはいけないことは、簡単に、人の悩みに答えを出してあげることだよ(p31)
・家族など、身近な人に気持ちを伝えるためには、特別な日を活用します・・「誕生日」や「結婚記念日」(p59)
・90点の答案を見せてもらったときに「・・調子にのったら、ダメだよ」とか「いつも、このくらいできるといいね」・・・子どもが自信をつけるチャンスを、逃してしまいます(p113)
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【私の評価】★★★★★(90点)
目次
第1章 言葉だけでなく気持ちを聞く
第2章 気持ちがきちんと伝わる話し方
第3章 感情をコントロールする
第4章 習慣を変えると、人間関係が良くなる
著者経歴
中山和義(なかやま かずよし)・・・1966年生まれ。成蹊大学経営工学科卒業、アメリカのホップマンキャンプ、メンフィステニスアカデミーで海外のスポーツビジネスを経験、帰国後、ヨネックス株式会社勤務、テニススクール担当として200ヶ所以上の事業所で販売促進企画を実施、退社後、父親の経営する緑ヶ丘ローンテニスクラブの経営改善に着手、赤字テニスクラブを業界トップのテニスクラブに改善。その後、テニスショップ、テニスサポートセンターをオープン、オリジナルブランドを立ち上げ、ラケットやガット、テニス練習機などを中心に売り上げを伸ばしている。その他の事業として老人ホーム、学習塾を展開中。日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。心理カウンセラーとしての知識を応用したセミナーは(株)船井総合研究所や(社)日本テニス事業協会などでも高い評価を受けている。テニス普及のためのNPOテニスネットワークを設立、三鷹青年会議所の理事長を務めるなど地域ボランティア活動にも力をいれている
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