「スピード危機管理―ピンチに強くなる52の具体例 」中谷 彰宏
2012/05/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
■東日本大震災で危機管理の大切さが指摘され、
危機管理マニュアルを見直しされている人も
多いと思います。
私も同類で、この本を手にしましたが、
印象としては、
戦争から学ぶ危機管理という趣き。
戦争も仕事も同じということです。
・今の世の中は、思いもよらなかったことが突然起こります・・・危機管理では、「自分はどこが弱いのか」ということについて気づくことが大切です(p24)
■日本軍が弱かったのは、
輸送とスピードです。
戦車があっても、運べない。
飛行機があっても、パイロットがいない。
武器があっても、食料がない。
輸送路、補給がいかに重要か
ということです。
そういえば、東日本大震災でも、
米軍は仙台空港を
真っ先に補修してくれました。
これも輸送路の重要性を
知っている上での
判断なのでしょう。
・輸送路を確保したほうが、勝つ・・・アメリカのディズニーランドは、車の出し入れから違います。日本のショッピングセンターなどにある駐車場は、車を入れるレーンが壁に対して90度になっていますが、アメリカは斜め60度と決まっています(p149)
■実戦経験がない人に対して、
「危機意識がない、平和ボケ」と
批判するのは簡単です。
しかし、周囲が全員平和ボケの中で、
ここが危ない、これが起きたらどうする、
と主張しても、なかなか難しい。
今は、危機管理のレベルを上げるには、
いちばん良い時期なのかもしれません。
中谷さん、良い本を
ありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・お役所の各部署では、実践経験がない上司ほど、命令書に精神論を書きます。具体的に何をどうすればいいかということを書かないのは、危険な兆候です(p126)
・日本の陸軍は、「戦車をたくさん持っていれば勝てる」と考えていました・・・ところが、大事なのは、戦車の台数ではなく、「運ぶトラック」の数でした(p154)
・アメリカは、航空母艦にブルドーザーも載せていました・・・アメリカの航空母艦は、横があいた設計になっています。横がオープンになっていれば、ここから燃えている飛行機をどんどん海に捨てることができます(p174)
・真珠湾で痛手を受けたアメリカは、戦艦を作っていた工場をストップして、空母をつくる工場に切りかえました。ところが日本は、真珠湾攻撃で"勝った"にもかかわらず、武蔵、大和のような大艦巨砲主義へと、時代を逆行していきました(p93)
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
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