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「チャンスは「ムダなこと」から生まれる。自分の価値に気づく56の方法。」中谷 彰宏

2021/11/04公開 更新
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「チャンスは「ムダなこと」から生まれる。自分の価値に気づく56の方法。」中谷 彰宏


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 「チャンスは「ムダなこと」から生まれる」と言われて思い出すのは、iPhoneを作ったスディーブ・ジョブズがスタンフォード大学卒業式で行った「ハングリーであれ。愚か者であれ」スピーチでしょう。スディーブ・ジョブズは、大学で学んだカリグラフの知識がマックの美しいフォントを生んだことを説明しながら、全ての経験は無駄にはならないと卒業生に伝えています。


 中谷さんも20代の頃、それまで利益が少ないので外注していたラジオCMを、自分で原稿を書いてナレーション まですべてやっていたら、全日本CM放送連盟のグランプリを受賞した経験をしています。それをやれば評価される、儲かるという仕事は効率の良い仕事です。しかし、儲からない、手間がかかる、難しいこともやっていれば、何か得るものがあるというのがこの世の中の法則なのでしょう。


・本を人に勧めた時に、「これを読んだら何かいいことがありますか?」と聞かれることがあります。そんなことは、わかりません(p46)


 宮崎駿作品も、従来のアニメでは手間がかかりすぎて誰もやらないような描写があちこちに見られます。すべての登場人物が別々の動きをしていたり、主人公が向こうから手前に進んできたり、髪や服が風で揺れています。こうした描写は、膨大な作業量となるため宮崎駿は「ああ、めんどうくさい」と言いながら、朝から夜中まで絵コンテを書いているわけです。ジブリ作品はアニメではなく、工芸品なのです。


 昭和天皇に進講した博物学者である南方熊楠は、子どもの時に、お金持ちの友達の家に行って、漢文で書かれた百科事典を全部写していました。無駄の中に物事の本質が隠れていることが多いのです。


・めんどうくさいことをするから、価値のある工芸作品が生まれるのです(p35)


 中谷さんは、大リーグの大谷選手と同じようにゴミを拾う習慣があります。なぜ、ゴミを拾うのかといえば、自己重要感がゴミを拾うことで上がるのだという。大谷選手はゴミを拾うことで、運を拾うと言っていましたが、自己重要感が上がり、自分の運がよくなるのでしょう。表現が違うだけで同じことを言っているのです。


 56の事例を示してもらうことで一流はムダなことをしているのだと、確信しました。中谷さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・ムダなことを楽しむという目的のための手段として、効率があるのです(p7)


・一流のスタイリストさんは・・頼まれたモノ以外にも持ってきてくれるのです(p53)


・私は何かを見たら、常に、次に頼まれた時、これのアイデアを求められた時に即答できるようにしています(p82)


・倒れている自転車を見たら、起こしてあげます。自分で落としたゴミでなくても、拾います・・・自己肯定感が上がるのです(p109)


・ムダなものには、価値がある・・・歌のヘタな人を連れて行くと、得意先が歌いやすくなります(p135)


▼引用は、この本からです
「チャンスは「ムダなこと」から生まれる。自分の価値に気づく56の方法。」中谷 彰宏
中谷 彰宏、現代書林


【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

1 ムダを承知で準備のできる人に、逆転のチャンスが生まれる。
2 会う時間を惜しまない人に、出会いのチャンスが生まれる。
3 気づかれない親切のできる人に、一流になるチャンスが生まれる。
4 ムダな遠まわりをする人に、楽しむチャンスが生まれる。
5 見返りを期待せず動ける人に、運と出会うチャンスが生まれる。
6 結果にはこだわらずに極める人が、成功のチャンスを引き寄せる。



著者経歴

 中谷 彰宏(なかたに あきひろ)・・・1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1984年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。1991年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。


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