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「Re-Boot! ゼロからの出発-日本のエスタブリッシュメントはなぜ崩壊したか」大前 研一

2011/05/14公開 更新
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Re-Boot! ゼロからの出発---日本のエスタブリッシュメントはなぜ崩壊したか


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー

■大前研一さんの10年以上前の一冊です。


 「未来はもうすでに起こっている」と
 いう人がいますが、
 大前さんは現実から未来のリスクを
 見通す力を持つ人なのでしょう。


 大前さんはITによって変わっていく、
 未来(現在)が見えていたようです。


・郵便物はeメールで送られるようになるので、郵便局員十万人が失業する(p68)


■また、国のムダ使いも
 すでに収拾がつかないレベルになっている
 ということです。


 あちこちに港湾、空港を作ってしまう。
 GDP5兆円の農業に予算が3兆円(農林水産省)。


 いかに予算が有効に使われていなかったのか、
 結果が出てしまったようです。


・2948ある漁港のほとんどが漁獲高より港の工事補修代のほうが高い(p105)


■菅首相は、「歴史が判断してくれる」と
 発言していますが、
 大前さんのこれまでの著作は歴史として
 評価されるものだと思います。


 大前さん、
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・東京を見れば、地震が起こったときに液状化して危ないと思われる土地が大田区の場合で48%もある。・・・都市部の0メートル地帯の地盤を強化することのほうが重要なはずだ。(p134)


・ネットワーク社会は「中抜き」の世界を実現する(p47)


・医療も同じである・・・レーティング(格付け)が、ミシュランのレストランの格付けのようにネット上に出てくるだろう・・・風邪と胃潰瘍ぐらいしか治せない日本の医者の九割は死に絶える(p69)


・公共事業は、もっと「費用対効果」を全面に出すべきである。たとえば、「通勤時間がどのぐらい減るか」「信号の待ちの回数が何回減るのか」といった効果を優先させる(p86)


・会計検査院がやっている評価は、予算を予定どおり使ったか、手抜きがなかったか、を調べるだけであって、本来、その事業が必要だったかの検証は全然行なわれていない(p94)


・シンガポールや香港の港がなぜ栄えているのか。インターネットで「こういうものが着きますよ」と書類を電子的に送れば、着いた三十分後にはもう荷を解くことができるからだ。・・・これに対し、日本では何十枚もの書類をそれぞれ処理しなければならないから、非効率きわまりない(p101)


・教育とは二つに分けて考える必要がある。一つは定食メニューで覚えなければいけない義務教育
 ・・・もう一つ重要な教育が、英才教育である。(p138)


・いまの時代は親が「みんなの意見が一致したときは賛成しちゃダメよ」という教育をしたほうがいい・・・答えへのアプローチや、物事の本質に迫るプロセスが大事であり、デビルズ・アドボケイトやアウフヘーベンが重要(p205)


▼引用は下記の書籍からです。
Re-Boot! ゼロからの出発---日本のエスタブリッシュメントはなぜ崩壊したか
大前 研一 大前・アンド・アソシエーツ
PHP研究所
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【私の評価】★★★☆☆(76点)



著者経歴

 大前 研一(おおまえ けんいち)・・・1943年生まれ。経営コンサルタント。マサチューセッツ工科大学博士。日立製作所、マッキンゼー日本支社長を経て、1992年に「平成維新の会」を設立。1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を務める。


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