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「「茹で蛙」国家日本の末路 : 日本が元気になる最後の一手」大前 研一 田原 総一朗

2011/05/13公開 更新
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「茹で蛙」国家日本の末路 : 日本が元気になる最後の一手


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

■10年前の一冊ですが、
 バブル崩壊から10年間の停滞の原因と
 その対処法を説いています。


 今では、バブル崩壊から20年間、
 日本は借金で現状を維持しながら、
 停滞してきたことになるわけです。


 日本では、毎年、年金をもらう人が
 増えていきますので、
 マイナス成長が当然なのでしょう。


・今、日本人は毎年60万人が就業戦線から引退・・・就業人口の1%の人が、毎年働いて付加価値をつけるという側から、ただ単に暮らして年金をもらう側に入ってしまう(p80)


■大前さんの処方箋は、
 まずサッチャーさんがやったような
 「規制緩和」により弱い産業から強い産業に
 人をシフトさせる。


 政治は、中央集権から地方自治とし、
 地方に責任を持たせ、知恵を出させる。
 というものです。


・保護しなければ、人々はより強い産業にシフトしていくんです。しかし、いまのようにやっていると、明治以来の養蚕農家まで守っているという具合ですから、結局人材が移っていかないんです。(p138)


■まっとうな処方箋だと思います。


 ただ、痛みが伴いますので、
 イギリスのサッチャーさんのように
 鉄の意志と力が
 必要なのでしょう。


 企業経営にも
 つながるものがあると思います。


 大前さん、
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・私は自民党の実力者たちによく言っているんです。「10年後の日本をどうするか」というビジョンを持ちなさい。たとえば・・・(p106)


・すでに給料は世界一なんだから、これ以上高くしちゃったら、国際競争力がなくなって国富は逃げていくだけだ。・・・よりよいものが安く買えるようにする改革に向かいなさい」と言ったものです(p16)


・日本の産業の90%以上は、世界に伍していく競争力がありません。こうした業種の人たちは、永田町や霞ヶ関に陳情すれば天からお金が降ってくると思っている(p65)


・よく人が足りないといって外国から雇い入れるべきだと言う人がいますが、それは間違いです。日本人は人手不足ではなく、人の使い方が下手で、その効率的な再配置・・・(p162)


・道路公団総裁は官僚の天下り指定席ではないはずです。・・・なぜなら、渋滞で苦労しているのは私たちであって、建設省や運輸省の偉い人たちではないからです(p201)


・病院のカルテは患者に帰属させるべきです・・・日本の医療制度は、薬、検査で儲ける仕組みができ上がっています。それが、薬づけ、検査づけ、入院づけを生んでいるのです。・・・日本での入院日数は、他の先進諸国などと比較すると二~三倍にもなります。(p203)


▼引用は下記の書籍からです。
「茹で蛙」国家日本の末路 : 日本が元気になる最後の一手
大前 研一 田原 総一朗
ビジネス社
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【私の評価】★★★☆☆(72点)



著者経歴

 大前 研一(おおまえ けんいち)・・・1943年生まれ。経営コンサルタント。マサチューセッツ工科大学博士。日立製作所、マッキンゼー日本支社長を経て、1992年に「平成維新の会」を設立。1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を務める。


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