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「国家の自縛」佐藤 優

2011/03/09公開 更新
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国家の自縛 (扶桑社文庫)


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

田中真紀子、鈴木宗男とともに外務省から排除された佐藤 優さんの一冊です。産経新聞の記者との対話形式となっており、佐藤 優さんの考え方を知るにはもってこいの一冊ではないでしょうか。


例えば、米国の国務省では親中派と親日派の綱引きが戦前から常にあるとしたうえで、日米同盟が永遠に続くというのは幻想と指摘しています。これはロシアの視点で、日米同盟を不安定にしようとしていると見ることができます。


また、外務省では、都合の良くない産経新聞記者に関するファイルや、公費で一緒に食事したり外国で遊んだ国会議員の記録を取っていると暴露しています。外務省への当てつけなのでしょう。


拘置所で看守に「看守さん」と言ったら、叱られて「先生」と言わねばならないという経験をはなしています。拘置所への批判なのでしょう。


中国がウイグル人を弾圧していることについては、チベットについてもインドと手を握ってチベットにインドが手を突っ込まないようにしていると発言していますが、インドと中国が国境線で衝突することになるとは思っていなかったようです。


佐藤 優さんの印象は、頭がいい人です。ただ、論理的ではあるが、裏がありそうに感じるのです。敵にまわしたくない人という感じです。論理的な主張をされますが、実は、心の奥深いところにまた別の論理があるように感じました。


対談だけに、ところどころに意趣返しもあり、楽しめると思います。佐藤さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・ロシア人はしっかりしている・・・悪い奴と、うんと悪い奴と、とんでもない奴と、その三人の中で悪い奴を選ぶっていうのが選挙だと(p16)


・ゴルバチョフ・ソ連大統領は、ウズベキスタンの中枢部から純粋なウズベク人を追放し、サマルカンド出身でタジク人の血が入ったカリモフを据えることで共和国の活性化を図ろうとした。・・・タジク系大統領に対するウズベク系エリート部族の反発がウズベキスタンの潜在的不安定要因になっているんです(p154)


・理不尽なことをやったらそれは国際社会の中で受け入れられないから、そこは淡々と「いろいろとおっしゃられるんですけども、賠償の問題についてはすでにけりがついております。日韓基本条約に即した形で私たちやっておりますので、何かあります?」こういうふうに言えばいいと思うんですよね(p47)


靖国問題・・・近代国民国家が成立してから、戦争に従事して国家のために生命を捧げた人々を顕彰することは、いかなる国家も例外なく行っていることですよね。・・・私の理解では、靖国神社は戦没者を慰霊するというよりも顕彰する場所なんですね。(p61)


国家の自縛 (扶桑社文庫)
佐藤 優
扶桑社
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【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

第1章 日本という国家
第2章 対露外交
第3章 外交と国益
第4章 ネオコン
第5章 これから



著者経歴

佐藤優(さとう まさる)・・・昭和35(1960)年、東京都生まれ。昭和60年、同志社大学大学院神学研究科修了の後、外務省入省。平成7(1995)年まで在英国日本国大使館、ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、外務本省国際情報局分析第一課に勤務。主任分析官として活躍したが、平成14年5月背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。東京拘置所に512日間勾留される。平成21年6月、最高裁により上告棄却、有罪が確定し、外務省の職を失う


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