【書評】「賢者は中金持ちをめざす―月収手取り100万円になるノウハウ集」邱 永漢
2010/05/07公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
バブルの時代の先を読む
1984年、バブル崩壊直前に発行された一冊です。不動産の価格が上がりすぎていること、税金の累進課税は緩和すべきではないかなど、未来を予見する内容となっています。
バブルの時代は家や不動産を持っているとどんどん値上がりして含み益が増え増したが、時代が変われば家を所有するより借りたほうが得なデフレの時代が来ることを予言しているのです。
家は借りて住む方がトクな時代がくる(p160)
バブルの時代の先を読む
この本が素晴らしいのは、時代を超越した合理的な考え方を教えてくれることです。つまり、株式投資であれば「配当利回り」を見れば、採算が取れるのかわかるということ。つまり、株価の上昇を期待してはいけないということです。
また、預金とはお金の一時休憩所であるといった物の本質的な見方も教えてくれます。銀行に預けられたお金は、より高い利子で貸し付けられて、銀行が儲けて一部を利子として返してくれるのです。
金融商品とは何だろうか。どうして人は定期預金をしたりするのだろうか。私はそれは現金の置き場に困った人が泥棒や火事から財産の安全を守るためにやむを得ず預けに行く「一時預かり」みたいなものではないかと思う。・・・商品と名のつく以上、いつの世も、買った人よりは売った人の方が儲かる仕組みにできているものなのである。(p105)
小金持ちを目指そう
「小金持ち」を目指すような本がありますが、元本はこの本ではないでしょうか。大金持ちよりは、月収100万円(ただし使えるお金で)を目指すのがいい。邱さん、よい本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・快適なる月収百万円、但し使えるお金で(p32)
・独立して自営をすればきびしい面もあるが、頑張ってやり抜けば、収入はサラリーマンをやっていた時の倍にはなる。「その代わり三倍働いて、収入は二倍ですよ」(p65)
・国には紙幣発行権があるから、紙幣を濫発するという手が残されている。紙幣を印刷すれば、さしあたりのピンチを回避できるばかりでなく、インフレをひき起こすことによって過去の債務を実質的に削減することができる(p94)
▼引用は下記の書籍からです。
三笠書房
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
第1章 中金持ちこそ「現代人の理想像」
第2章 金儲けより節税対策に頭を使え
第3章 不動産投資は発想の転換が必要
第4章 成熟社会の利殖作戦はこの手で
著者経歴
邱 永漢(きゅう えいかん)・・・実業家。1924年生まれ。東京大学経済学部卒業。台湾より香港へ亡命し、直木賞受賞作家となる。その後、株の神様、お金の神様といわれながら、事業活動を行い、現在も年間120回飛行機に乗って、東京、台北、上海を飛び回る。著作は約400冊にのぼる。
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