「三方良しの公共事業改革」岸良 裕司
2009/10/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
土木工事や建設工事で、現場のベテラン親方がやっている『段取り八分』と工程管理をわかりやすく説明してくれる一冊です。そのポイントは次の3つです。
まず、工程表を作る段階で、各工程の「ゆとり」を吐き出させます。各担当者は自分の工事で遅れが出ないように「ゆとり」を持とうとします。親方は、この「ゆとり」を「もう少し短い工程でできるのではないか。遅れてもいいからチャレンジしてみな」という言葉で「ゆとり」を取っていくのです。
そして、次に、こうして「ゆとり」のない工程をつなぎ合わせて、全体の工程を作ります。全体の工程表では、作業員が重なっていないか、重機がやりくりできるか、クリティカルパスを工夫して短くできないかなど、について検討します。(これは常識的ですね)
最後に、各担当者から削った「ゆとり」は親方バッファとして一括管理します。「ゆとり」は各担当者が持つのではなく、親方が持つわけです。
・ゆとりを「見える化」する(p86)
プロジェクトマネジメントというと、工程管理表を作成したり、ソフトウエアを導入したりと、表面的なことばかり書いた本が氾濫しています。それに対してこれほど、具体的に工程管理手法を提言してくれる本はなかったのではないでしょうか。もし、あなたがプロジェクトを管理する立場なら、必読の一冊だと思います。本の評価としては★4つとしました。
この本で私が共感した名言
・サバなしのありのままのギリギリの納期を見せることにより、発注者側の協力が得られる(p103)
・「工事は遅れ気味だけど、一日前に終わる予定です」なんかヘンだと直感的に感じないだろうか?・・・この工程表にはもうひとつ見方がある。「5日のバッファのうちすでに4日も使ってしまった。(p76)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
1 答えは現場にあり!問題解決の突破口
2 「段取り八分」の工程表のつくり方
3 三方良しの公共事業改革
4 各地の成功事例
著者経歴
岸良 裕司(きしら ゆうじ)・・・ゴールドラット・コンサルティング・ディレクター。日本TOC推進協議会理事。1959年生まれ。大学卒業後、京セラに入社。半導体の営業に取り組む。2003年、土木積算ソフトでトップシェアの(株)ビーイングヘッドハンティングされる。
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