「日本一勝ち続けた男の勝利哲学」加藤 廣志
2009/10/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(96点)
■ この本の冒頭には、
「指導者には燃えるような情熱が必要である」
と書いてあります。
そして、この本を読んでいるうちに、
涙が出てきます。
しかし、それは悲しくて涙が出るのではありません。
その燃えるような情熱に泣けてくるのです。
・指導者は燃えるような熱い情熱がなければ駄目だ(p10)
■昭和55年、高校バスケット全国選抜大会後、
著者は、レギュラー選手Kを控えに回しました。
それを面白くないと思ったKは、
柄の良くない仲間と付き合ったり、
髪の毛を染めたりするようになりました。
そして、著者のところに来て言ったのです。
「先生、俺バスケットやめる。全然、面白くねえ」(p155)
その時、著者は「バカヤロー」と叫んで
Kを殴ろうとしたら、うまくよけられて
ガラス窓を壊してしまいました。
手は骨が見えるほど切れ、
血が噴き出しました。
Kは真っ青になって、
「先生、もうやめるなんて言わないよ。
死んでもやめるなんて言わねえよ」(p156)
と叫ぶと、逃げていきました。
■その後Kは、頭を丸めてコートに戻り、
必死に練習に取り組み、高校三冠達成、
日本代表選手となりました。
その後も二十年連続で選手として
国体出場しています。
Kはあの瞬間から
「死んでもバスケットをやめない」
人間になってしまったのです。
■こんなエピソードがいっぱいの
感動の一冊です。
できれば講演で聞くのが最高ですが、
この本でも十分泣けると思います。
本の評価としては★5つとしました。
泣ける本に加えることにしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・私の書斎には人生を決めた一冊の本があります。
昭和二十六年に刊行された『Rupp's BASKETBALL』(p25)
・「食器を下げるついでに、実際に食事を作ってくれた方々に、
大変おいしかった、とお礼を言ってきなさい」と指導しておりました。
・・・旅館の人や周辺の人は能代工の味方になってくれます(p115)
・優秀な監督は、生徒たちにスポーツの本当の楽しさや、
自分を追い込むことの大切さを理解させています。(p154)
・目標を失いがちな控えの選手にいかに目標を持たせるか・・・
彼らにもそれぞれ仕事を与えてやるのです。たとえば、データ処理。
彼らの上げてきたデータを基にして、練習をするのです(p204)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★★★(96点)
■著者経歴・・・加藤 廣志(かとう ひろし)
1937年生まれ。
秋田県立能代工業高等学校教諭、バスケットボール部監督。
在任中の三十年間でインターハイ七連覇を含む
計三十三回の全国制覇を達成。
98年退職し、現在、能代山本スポーツリゾート
「アリナス」館長を務める。
読んでいただきありがとうございました!
いつも応援ありがとうございます。
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