「成功は小さい努力の積み重ね」江口 克彦
2009/07/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
■やはり松下幸之助の本を読むと
どうしても姿勢を正してしまうのは
私だけでしょうか。
松下幸之助の晩年23年間付き添った
著者が伝える松下幸之助の人となりです。
■松下幸之助は人を褒めても、叱っても、
人を感動させることのできる人でした。
人を叱って感動させるというのは
どういうものなのかと思いますが、
そのコトバを読んで少しわかったような
気がしました。
信頼していた君ともあろうものが
なぜこんな判断をするのか。
松下電器の考え方に反しているのではないか。
そうした思いが伝わってくるのでしょう。
・私は何度となく、「きみは何を考えて仕事をしとるんや。この仕事できみが正しいと思うことは何や!」と厳しい口調、激しい言葉で叱られた。・・・そのように叱られながらも、何かしら、松下さんの言葉、叱り方に感動を覚えたのは、松下さんが私の人間としての本質や人格といったものを認めてくれており、それが伝わっていたからだと思う(p183)
■また、松下幸之助は決断する人でしたが、
決断の前には多くの人に質問し、意見を聞き、
決断をくだしていたそうです。
ただ、意見を聞くにしても意見を
鵜呑みにするのではなく、
自分の判断が本当に正しいのか、
現実と離れていないのか、
チェックしていたのでしょう。
・松下さんのように、「わしはこう思うんやけど、あんた、どう思う?」「これについてあんたの意見はどうかなあ」と声をかけておく・・・(p21)
■もう松下幸之助には会えませんが、
こうした本で会うしかないのでしょう。
松下幸之助の声が聞こえてくるようでした。
・松下さんは、実によく部下に声をかけた。エレベーターで偶然乗り合わせた、初めて会った女子社員にも、「あんた、どの部門で仕事してるんや?」とか、「機嫌ようやってくれてるか?」などとよく話しかけていた(p94)
■姿勢を正して読まされる一冊です。
本の評価は★4つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・汗を流し、努力に努力を積み重ねるうちに知恵が湧いてくるもんや。汗の中から生まれたその知恵は本物やな。本物だから人を感動させることができる、説得し納得させることもできる。(p31)
・ほめられるのは嬉しいことだが、ときとして油断が生じる。だから逆に叱ってくれる人、注意してくれる人を求め、大事にしなさい(p48)
・責任者には三つの責任がある。仕事の完成と仕事の創造、とりわけ、人材の育成である(p104)
・十年後、あるいは五十年後に自分の会社の経営をこのようにしていきたいという大きな夢、大きな志を、現実と戦いながら並行して持っていることが大事である(p35)
・松下さんには、日本は必ず発展する。日本には国運があり、将来的に非常に希望に燃えた国になるのだという「大楽観」があった。しかし・・・問題が山積みしているが、それらを正視し、全身全霊、命懸けで取り組むのである(p37)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★★☆(88点)
■著者経歴・・・江口 克彦(えぐち かつひこ)
1940年生まれ。松下電器産業入社後、1967年PHP研究所。秘書室長、取締役、常務、専務、副社長を経て、2004年同社社長。著書多数。
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