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「経営の大原則―21世紀の経営者は松下幸之助を超えられるか」江口克彦

2012/03/27公開 更新
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経営の大原則―21世紀の経営者は松下幸之助を超えられるか


【私の評価】★★★☆☆(73点)


■1989年に亡くなった松下幸之助。
 その松下の経営の本質を、
 21世紀の経営者に語ってもらうという一冊です。


 経営者から語られる松下幸之助の
 エピソードが面白い。


・『これ、なんぼで仕入れてんねん』購買課長が懸命に資料を繰って探していると、『資料見んとわからんのかいな。わしやったら○○円でやるで。できるはずや』と、こんな調子である。・・・松下創業者は『半額でせえ』と言われるのだ。(p164)


■共通点があるとすれば、
 だれもが松下幸之助に畏怖の念を
 持っているということ。
 只者ではない。


 それは知識もありますが、
 人を動かす「言葉」にも
 不思議な力があったからでは
 ないでしょうか。


 「コストを半分にせえ」
 こうしたことを要求し、
 やらせる力です。


・コストは下げれば利益は出ます。ただ、従来のつくり方をそのまま踏襲してコストを5%なり10%下げようとすれば血の小便が出ますわ。そやけど、最初からコストを30%下げて同じ品質のものをつくろうと考えれば、仕事が楽しくてたまりません(松下幸之助)(p131)


■結局は、自分でも仕事はできる。
 その前提で、仕事を人にしてもらう。
 そうした力量が必要なのでしょう。


 松下幸之助の本はすべて読むつもりです。
 PHPさん、良い本を
 ありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・錦の御旗がないといけませんな。私自身も気の弱い人間や。それが何か錦の御旗をかついだときえらく強くなる。社員かて同じや。社長は社員の出来・不出来に気をとられないで、錦の御旗を見つけることが仕事ですな(松下幸之助)(p127)


・あとから考えると、松下さんはこうせいああせいということは絶対言わない人でした。それよりも、出てくるたびに「いい考え浮かんだか?」と言ってニコニコして聞かれる・・「昨日も言うたやないか、何も進歩してへん。変わってへんやないか。そんなんやったら聞く必要ない」。それの繰り返しです(樋口廣太郎)(p67)


・松下さんはこう言っている。「七割年功序列で三割抜擢人事。これがいいと。しかし、将来的にいちばん理想は、七割抜擢人事で三割が年功序列。これがいい」。(江坂彰)(p84)


・上の二割は、誰に言われなくても、いつも革新的なことを考えている人たち、まあ、事業の推進力ですな。次の二割は上の二割を憧れの目で見ている人、自分もああなりたいと勉強はしているんだが、助手の位置に甘んじている。あとの六割は、神輿のまわりをウチワで煽いだり水かけたりするのがいますやろ、あの連中ですがな(松下幸之助)(p126)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★☆☆(73点)



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