「本気の教育でなければ子どもは変わらない」原田 隆史

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本気の教育でなければ子どもは変わらない (シリーズ教育を考える)

【私の評価】★★★★★(97点)


■原田先生の最も初期の著作です。


 それだけに、
 原田先生の試行錯誤、苦労の軌跡が
 しっかりと書いてある一冊でした。


 原田先生の人生は、
 常に自らの退路を断った「決断」によって
 大きく前進しています。


■まず、最初に赴任した中学校で、
 家庭内暴力に悩んだ親が子どもを殺害する、
 同僚が木刀で殴られる、
 生徒を抑えようとした手が目に当たり
 「暴力」とされる、といった事件が続きます。


 そこで「教師を辞めよう」と悩んだ原田先生が
 両親に相談すると、原田先生の母親は、
 「・・逃げたいがための転職やったら、やめなさい」
 とアドバイスしてくれました。


 そこで、原田先生はS中学校に転勤し、
 そこで最後の勝負をすることにしたのです。


・よし!しんどい学校で自分が通じるかどうか試そう。
 いままでの倍の仕事をして、うまくいくかギリギリまで
 やってみよう。それでダメなら教師を辞めよう(p81)


■S中は、授業中に踊っている子どもがいる、
 金髪グループが構内をウロウロするという
 いわゆる荒れた中学校でした。


 原田先生は、
 「ここでだめなら辞める」という覚悟で
 「態度教育」に取り組み、
 警察と児童相談所と連絡を取りながら、
 荒れた中学校を再生することに成功するのです。


■そして、次の決断は、次の中学校、
 大阪市立松虫中学校に転勤してからです。


 この学校も荒れた中学校でしたが、
 「態度教育」で落ち着かせることに成功します。


 しかし、陸上では大阪府の大会でさえ
 「勝てるわけがない」というレベルでした。


 そこで、またしても原田先生は、
 生徒に本気を伝えるために
 次のような宣言をするのです。


三年間で日本一にできなかったら、教師を辞める!


・自分が本気であることを伝えるために、
 こう宣言しました。
 「三年間で日本一にできなかったら、
 教師を辞める!」集会のあと、ある子どもが、
 それが本当なら紙にかいてくれといってきました。・・・
 その子はコピーをとって、
 みんなに配ってしまいました(p107)


■その後、原田先生は、
 松虫中で13回の日本一を達成します。


 私には、退路を断った「決断」の力が
 伝わってきました。
 当然、生徒にも伝わったはずです。


・なんとしてでも、
 原田先生を日本一の監督に
 したかったんです(p120)


■この本を読んで、
 ・「得るは捨つるにあり
 ・「捨我得全」
 の意味が少しだけわかったような気がしました。
 覚悟を決めた人は強いのです。


 私は、原田先生の本をすべて読みましたが、
 この本が一番、原田先生の人生と思いを
 伝えてくれる一冊だと思いました。


 本の評価としては★5つ、97点とします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・私は、練習以外にまず、何かの仕事、
 役割を与える
ことにしています。
 用具を準備する、砂場の砂をならす、
 用具を片付ける・・きちんとできていたら、
 すぐに・・・呼んでほめる・・・
 これは子どもにとって、癒しになると同時に、
 小さな成功体験になります(p20)


・態度教育・・・クツをそろえる
 ・イスを机のなかにいれる
 ・カバンを立てる
 ・元気のいい弾んだ「ハイ」という返事
 ・人より早くあいさつをする・背筋をピンと伸ばした姿勢・・・
 子どもたちとの根比べです。できたらほめる。
 できなかったら、教える。(p48)


・私は後輩の若い先生たちに、赴任先に行くときは・・・
 「こういう学校にしたい」「こんな学校をつくりたい」
 という目標を持つことが大切だと説明します(p95)


・文部科学省は、新学習指導要領を最低ラインととらえ、
 土曜日、日曜日の自由時間で個性に合わせて、
 生きる力を高めなさいといっている。
 しかし現場の教師、保護者、子どもは、
 ゆとりだから手をゆるめよう、
 休もうと思っている(p32)


▼引用は、この本からです。

本気の教育でなければ子どもは変わらない (シリーズ教育を考える)
原田 隆史
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【私の評価】★★★★★(97点)



■著者紹介・・・原田 隆史(はらだ たかし)

 1960年生まれ。大学卒業後、公立中学校で体育教師。
 松虫中学校では7年間で13人の日本一を輩出。
 現在、大学で教師の育成にあたるかたわら、現役教員のための
 私塾「教師塾」を主宰。著書多数。


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【私の評価】★★★★★

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