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「「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?」細野 真宏

2009/04/08公開 更新
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「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■カリスマ英語講師が、
 「社会保障国民会議」の委員として年金問題などを
 解説してくれる一冊です。


■年金問題では、「未納」「職員の横領」
 「消えた年金」など、いろいろ問題が
 マスコミで報道されています。

 マスコミでは「年金は既に破綻している」というような
 否定的な報道が多いのですが、この本を見ると、
 そうでもないのかも・・・と思うはずです。


■例えば、国民年金の納付率が60%と報道されていますが、
 サラリーマンの厚生年金などを含めれば、
 公的年金全体での納付率は95%以上です。

 また、国民年金を納付しない人には、
 将来、年金は支払われませんから、
 納付率がいくら下がっても将来的な影響は少ないのです。

■さらに、年金制度は、若い世代が老人を支えるという
 「ねずみ講」のような仕組みになっています。

 しかし、これは、見方を変えればインフレになっても
 支払い額を維持しやすいというメリットがあるのです。


■このように、この本を読むと、
 制度にはメリットとデメリットがあって、
 多角的に分析しなければ、
 簡単に判断できないということがわかりました。

 マスコミを信頼できない国民は悲惨ですが、
 マスコミも組織であり、そこで働くサラリーマンが
 作っているので仕方がない面もあるのでしょう。


■この本では、年金問題だけでなく、
 サブプライム問題も出てきます。

 この2つに興味のある方には、
 とてもわかりやすく、推薦できる本だと思います。
 本の評価としては、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・国の年金制度が「仕送り方式」になっているのは・・・
   将来、日本が「インフレ」になったりしていても、
   私たちは安心して老後の生活を送ることが可能(p145)


  ・財政的な危機に直面するのは「年金」よりむしろ「医療」と「介護」
   で、例えば団塊世代が75歳以上になる2025年においては、
   年金給付の伸びが現在の1.4倍になるのに対して、
   医療は1.7倍で、介護は2.6倍にも膨らむのです!(p180)


▼引用は、この本からです。
「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)
細野 真宏
扶桑社
売り上げランキング: 21
おすすめ度の平均: 4.5
5 本質を見抜く力
5 論理的に正しく判断できることで、現在の過剰な将来不安を減らせるようになる本☆
3 肝心の年金論が弱い。著者は解説者であり、批評家スタンスを改めるべき
5 妹二人に読んでほしい本!!
5 現在の私たちの経済状況が本当に良く分かるようになる本!

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■著者経歴・・・細野 真宏(ほその まさひろ)

 大学在学中から予備校で教えながら、「数学が本当に
 よくわかる本」を執筆し200万部を超える。
 「社会保障国民会議」の委員として年金問題に取り組む。


─────────────────

■関連書評■
a. 「公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか」北見 昌朗
【私の評価】★★★★★

b. 「「社会調査」のウソ」谷岡 一郎
【私の評価】★★★★☆


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