「「社会調査」のウソ」谷岡 一郎

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「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)
【私の評価】★★★★☆(84点)


●私も常々感じていますが、
 省庁の行う調査、マスコミの行う社会調査については、
 かなりのものが信用できないそうです。


 その原因は、サンプリングのまずさ、誘導質問
 いいとこ取り、印象操作、相関関係の誤解などいろいろな
 ものがあります。


●恐ろしいのは、そうした事実を知らないで
 社会調査の結果とその分析を見て、
 多くの人がそれを信じ、
 世論が作られてしまうことでしょう。


 ・中立を標榜しながら特定意見を押しつけたり、
  いいとこ取りをして勝手な解釈を加えるという点では、
  朝日も読売もいまだに誘導的な手法が多い。(p49)


●調査での情報操作を防ぐために著者が提案しているのは、

 1 データの公開
 2 チェック機関の創設

 です。しかし、その実現には、
 かなりの時間がかかるでしょう。


 ・公官庁や政府関連団体が集めたデータは
  一般に公開されない・・・
  仮に一部の学者に分析を依頼する場合でも、
  「批判はしません」という念書を
  とった上でしかデータを見せない(p31)


●社会調査は操作できるという事実知るために
 必読の一冊です。


 情報があふれる現代だからこそ、
 一読いただきたいと思います。
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・自分たちの気に入らない法案は、いつも決まって
  「十分な審議がなされていない」状態であり、
  もっと議論を尽くすべきだと主張するが、
  与党議員による数をたのんだ採決は、
  常に「数の暴力によるゴリ押し」
  というわけである。(p74)


 ・「週刊朝日」(1999年11月19日号/山口一臣、江畠俊彦)
  によれば、『買ってはいけない』の三人の著者のうち
  少なくとも二人が、自分の関係する会社の製品を売るために
  他社の製品を批判していたという(p85)


 ・お役人というのは、一度予算がついたものを
  撤廃しようとはまず考えない。
  昨今は研究費に上限が設けられるようになってきたが、
  そうなると、新しい分野を増やすには
  他の分野を削らねばならない。
  それがお役人には、どうしてもできないのだ。
  結果として、いくら重要な学問分野であっても、
  新しいコードは作られない(p98)


 ・日本の社会科学(だけとは限らないが)の世界では、
  論文は「質より量」が重視される。・・・
  なぜ日本に「サイテーション・インデックス」が
  ないのであろうか。(p101)


 ・アメリカで採用している方法の一つに、
  研究者はその所属する機関の許可を得なければ、
  機関名を名乗って調査はできない、
  というものがある。(p194)


▼引用は、この本からです。

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)
谷岡 一郎
文藝春秋
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おすすめ度の平均: 4.5
3 タイトルが気になったら一読されたし・就職前の学生さんにも
4 新聞や雑誌を読む楽しみが増えます
5 ばっさり辛口
5 「社会調査」と「数字」の「ウソ」
5 選挙権のある人は目を通して欲しい

【私の評価】★★★★☆(84点)



■著者紹介・・・谷岡 一郎(たにおか いちろう)

 大阪商業大学教授、学長。
 1956年生まれ。慶應義塾大学卒業後、
 南カルフォルニア大学行政管理学修士課程修了、
 同大学社会学部博士課程修了。
 専門は犯罪学、ギャンブル社会学、社会調査論。
 

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