「組織の盛衰」堺屋 太一

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組織の盛衰―何が企業の命運を決めるのか (PHP文庫)

【私の評価】★★★★☆(85点)


●元通産省の役人であり、
 日本帝国陸海軍に詳しい堺屋さんだけあって、
 組織の硬直化の本質をずばり指摘しています。


 腐敗した組織の状態を、『共同体化』と表現しています。
 つまり、仲間の利益を優先する集団という意味です。


 ・共同体化した組織では、構成員の目は内志向となり、
  共同体内部だけの多数意見(有力意見)が正義正解になる。
  敢えて創造性を発揮するものはいなくなり、
  たまに現れると異端者として
  中枢から外されてしまう。(p64)


●共同体化した組織では、
 極力競争を排除します。


 そのために年功序列や、
 キャリア制度が発達します。


 そのほうがお互い、ギスギスせずに
 人生をまっとうできるからです。


 ・旧日本帝国の陸海軍では士官学校や兵学校での卒業成績が、
  将軍、提督になるまでついて回るという
  悪習が生まれた。(p52)


●とにかく組織内で波風を立てなければ出世できますので、
 予算は平等、人員配置も
 文句のでないようにしようとします。


 ・共同体化した組織では、特定の部局や構成員に不満を
  抱かせることを嫌うので、敢えて能力の集中をせず、
  全部局に総花的な分散が行われる。(p182)


●このように、大きく古い組織は共同体化しやすいのですが、
 それを防ぐには、定期的に組織に
 揺さぶりをかける必要があります。


 著者は、官僚組織については政治家に、
 そして、大企業においては社外取締役などに
 その揺さぶる役割を期待しています。

●大きな目的を達成するために組織ができたはずなのに、
 なぜか組織が大きくなると本来の目的を失ってしまう。


 そうした組織の問題をこの本を読んで意識することで、
 少しでも硬直化した組織に揺さぶりを
 与えることのできる人が
 増えてもらいたいと考えました。


 組織の一員ならば、必読の一冊と言うことで
 ★4つとします。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・無謀な白兵銃剣戦術を推進した辻政信などは、
  どんどん出世する。
  共同体化した組織では、失敗の責任は追及されず、
  馬力と迎合だけが評価されるのである。(p60)


 ・個の優秀さも、組織の共同体化が進むと
  むしろマイナスに働く。
  各部分組織の構成員が有能であればあるほど、
  その部分組織の目的だけを追求して譲らないので、
  総合調整がますます困難になるからだ。
  各課長が全て有能で、上手に理屈をつけ熱心に
  要求してくると、どれも削れない。(p67)


 ・実際、「才ある者は徳がない、徳ある者は才がない」
  というのは、人事における不滅の公理である。
  才があって仕事をすれば必ず周囲と摩擦を起こして
  徳望は傷が付く。逆に仕事さえせず
  才能を発揮しなければ、
  大抵の人は「良い人」、
  つまり徳人であり得る。(p322)


組織の盛衰―何が企業の命運を決めるのか (PHP文庫)
堺屋 太一
PHP研究所
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おすすめ度の平均: 4.5
5 優秀な人を集めた組織が失敗するメカニズム
5 今まで読まなかったのがもったいなかった
5 組織には大切な役目がある
5 素晴らしい!
5 組織だって・・・『奢れる者は久しからず。盛者必衰の理をあらわす。』

【私の評価】★★★★☆(85点)



■著者紹介・・・堺屋 太一

 1935年生まれ。大学卒業後、通産省入省。
 日本万国博覧会、沖縄海洋博、サンシャイン計画を企画、推進。
 1978年退官。執筆、講演活動を行っている。


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