人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「絆徳(ばんとく)経営のすゝめ ~100年続く一流企業は、なぜ絆と徳を大切にするのか?」清水 康一朗

2024/09/27公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

「絆徳(ばんとく)経営のすゝめ ~100年続く一流企業は、なぜ絆と徳を大切にするのか?」清水 康一朗


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

理念と経済合理性を両立させる

セミナー情報サイト「セミナーズ」を運営する清水社長の一冊です。月額3300円~1.1万円のビジネスコミュニティ「社長の教養」も運営し、1.4万人の会員を集めているという。


この本では「理念」と「経済合理性」を両立した絆徳経営を説いています。そして、見習うべき経営者として日立製作所、日産自動車を創業した鮎川義介を紹介しています。鮎川義介は、企業とは学校であり、社会の救済装置であるという信念のもと、日本で初めて社員に株を持たせたという。


つまり、企業は社員、社会、株主のために利益を出すのであり、そうした理念がないまま目先の利益に走るようでは、長期的に繁栄しないであろうということです。


鮎川経営哲学の言葉を借りるなら「企業とは学校であり、社会の救済装置」です(p65)

一人の人間として興味を持つ

著者の会社では、絆徳経営として社員は当然のこととして、社員の家族や取引先を大切にしているという。例えば、社員に対しては、「この人はどんな人で、何を求めているのだろう?」と一人の人間として興味を持つようにしていると説明しています。


そして、自らの姿勢を正し、社員のできない部分ではなく良い部分に目を向け、日頃から前向きで丁寧な言葉を心がけるというのです。お客様に対しても、バーベキュー大会や周年記念パーティを企画し、理念に共感するお客さまをご招待しているという。


今では簡単にネットで調べることができる・・本心から理念をうたい、裏表なく実践しなければなりません(p30)

社員の人格面を重視

私が興味深かったのは、著者の会社の人事制度です。まず、期待するパフォーマンス(能力)とマインドセット(人格面)を定義して、評価ではマインドセット(人格面)を重要視しているという。


営業成績はいいけれど、人を馬鹿にしたり会社の方針に抵抗するような人は、 短期的にはプラスでも、長期的にはマイナスだからです。したがって、採用にあたっては、「よさそうな人」ではなく、「求める人物像」に合致する人を採用するようにしているという。何かあったんでしょうね。


また、「給与テーブル」を公開して、人事のルールを明確にして、社員の誰もが将来計画を立てやすいようにしているという。


フルタイムの場合はこう、時短勤務ならこう、出来高制の場合はこう」というように条件を決めておき、本人に選択してもらうのです(p160)

言葉と行動が一致するかどうか

著者の提案する「理念と経済合理性の融合」は、多くの企業で採用されているものだと思いました。多くの企業が、「寄付」や「ボランティア」で地域社会と絆を強めようとしています。問題は言葉と行動が、一致するかどうかなのです。


著者は、ほとんどの会社は目先の利益に目がくらんで、絆をおろそかにしていますと記載していますが、著者の周りにはそんな会社が多いのかと捉えられないか心配になりました。昭和的な義理・人情・感動経営も捨てたものではないのです。清水さん、良い本をありがとうございました。


無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信)
3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。

この本で私が共感した名言

・「絆」こそが、SNS時代の最強の資産(p33)


・「感動」がなければ「絆」も長続きはしないので、リピートは取れません(p113)


・お客様との絆・・相手はどんな人で、何を求めているのか?(p111)


・継続的な情報発信・・きっかけづくり(無料体験や単品商品)・・関係づくり・・感動づくり・・絆づくり(p112)


▼引用は、この本からです
「絆徳(ばんとく)経営のすゝめ ~100年続く一流企業は、なぜ絆と徳を大切にするのか?」清水 康一朗
清水 康一朗、フローラル出版


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

序章 「きれいごと」が経済合理性を生む時代になった
第1章 これからの最強の資産は「絆」である
第2章 絆徳経営でピラミッド型から「丸ダイヤ型」を目指しなさい
第3章 分断を生み出す「7つの罠」とは?
第4章 絆がどんどん強くなる「5Kマーケティング」
第5章 社員との絆が勝手に強くなる「絆徳の人事」
第6章 世界と絆を結べば、いつまでも幸せになる



著者経歴

清水康一朗(しみず こういちろう)・・・ラーニングエッジ株式会社代表取締役社長。「セミナーズ」の創始者。「社長の教養」主宰。 「セミナーズ」を立ち上げ、経営教育に尽力。鮎川義介氏などの日本的経営の研究、アンソニーロビンズ日本事務局長、ブライアントレーシージャパン株式会社の代表取締役会長、ジェイエイブラハムジャパン株式会社の代表取締役会長、ドラッカー学会推進員などを歴任。絆徳経営、「円形欲求モデル」、「マーケティングαとβ」、「タイムリバーサル」、「W-PDCA」など数多くの経営理論を提唱。


この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


ブログランキングにほんブログ村



<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: