「歴史の使い方」堺屋 太一

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歴史の使い方 (日経ビジネス人文庫 グリーン さ 3-6)

【私の評価】★★★★★(90点)


■歴史の使い方を教えてくれる一冊です。


 堺屋さんは、万博をプロデュースしたことで
 有名ですが、そのときは関ヶ原の戦いでの
 石田光成を参考にしたようです。


 まずは、コンセプトと大義名分が必要です。
 万博なら国際化でしょうか。


 そして、スポンサーを担ぐ必要があります。
 万博では開催地の関西の大物を動かしたようです。


■また、国際基軸通貨としてのアメリカと
 十三世紀のモンゴル帝国との共通性、
 明治維新後と、戦後との共通性など、
 歴史と現在を比較してみる楽しさを教えてもらいました。


 歴史は人が作っていますので、
 歴史は繰り返す部分もありますが、
 環境の違いから違う結果が生まれるところもある。


 このように歴史を知り、参考とすることで、
 失敗はより減っていくのでしょう。


・十三世紀のモンゴル帝国が発明した「ペーパーマネーを
 国際基軸通貨とする体制」は、通貨を物財との交換手段ではなく、
 利潤を生む資本と考えることから出発した・・・
 それを有利子で借りる者がある限り価値を持つ(p4)


■お役所批判の多い本でしたが、
 そういえば堺屋さんも通産省出身ですから、
 説得力がありました。


・太平洋戦争では、日本海軍の提督たちが想定したような
 艦隊決戦は一度も起こらなかった・・・旧満州などの植民地を失えば、
 日本は原料不足と人口受け皿を喪失して経済的に破綻する、
 と言い張っていた・・・今も官僚たちは財政や年金、医療、
 道路建設などで同じことを主張している
(p253)


■歴史が面白そうに感じさせてくれる一冊です。


 本には本のソムリエが必要なように、
 歴史にも歴史について手を引っ張って、
 その素晴らしさを教えてくれる人が必要なのかもしれません。


 堺屋さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・イギリスのサッチャー首相も、アメリカのレーガン大統領も、
 80年代に体制と発想の転換に成功した指導者はみな、
 「小さな風穴から大きな競争の嵐」と呼ぶ方式を採っている(p244)


・明治は維新から四十四年続いた。
 昭和も敗戦から四十四年続いた。
 明治と戦後の昭和は、技術の導入と施設の建設に
 熱中した点でも同じである。(p219)


・ひと口に「千年の都」というが、本当に千年の間
 一つの国の首都であったと思われる都市は、世界に四つしかない。
 ローマ、パリ、イスタンブール、そして京都である。
 北京がこれに入るためにはあと二百年かかる。(p71)


歴史の使い方(日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 グリーン さ 3-6)
堺屋 太一
日本経済新聞出版社
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5 少しため息をつきながら

【私の評価】★★★★★(90点)



■著者紹介・・・堺屋 太一(さかいや たいち)
 
 1935年生まれ。
 1960年通商産業省(現:経済産業省)入省。
 1970年日本万国博覧会をプロデュース。
 1978年退官し、作家として活動。
 1998年経済企画庁長官。
 著書多数。


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